テレワークの効率を下げる原因は? 効率化する工夫やおすすめツールなどを紹介!

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近年、新型コロナウイルス感染拡大によって、テレワークの普及が劇的に進みました。

しかし、テレワークを導入したからといって、業務が必ず効率化するとは限りません。実際に日本では、オフィスで働くよりも効率が悪いと感じる方も多いようです。

今回は、テレワークの効率について日本の実情をお伝えするとともに、効率が落ちてしまう原因や効率化する工夫を解説していきます。

テレワークの効率をアップさせるツールも一挙にご紹介しているので、必要に応じてぜひ導入を検討してみてください。

日本のテレワークは効率悪い?

日本のテレワークに関する働き方について、アドビ株式会社が2021年9月に調査しました。

対象国は日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランスの7か国であり、対象者は従業員数1,000名以上の企業に勤める男女計3,404名です。

「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事がはかどりますか?」という質問に対して、「そう思う」と回答した割合がグローバル平均は約7割である一方で、日本は約4割と7か国中で最も低い結果でした。

参考:アドビ、未来の働き方に関する調査を7カ国で実施(アドビ株式会社)

テレワークの効率が落ちる原因

1.コミュニケーションが取りづらい

テレワークでは、リモート環境で働くため、コミュニケーションが取りづらい傾向があります。

たとえば、相手の状況がわからない中で連絡してしまうと、都合が悪ければメールや電話に対応してもらえないことがあります。

仮に応答があっても、いったん連絡が取り合えるタイミングを共有し、時間をあけてからコミュニケーションを交わすことになりがちです。

必要なタイミングで仕事の相談ができず、業務が停滞してしまうケースも珍しくありません。

2.緊張感が薄くなってしまう

テレワークでは、上司や同僚の目の届かないところで業務が遂行されます。周囲の視線がないと緊張感が薄くなり、作業の質が下がる可能性もゼロではありません。

中には、勤務態度がルーズになってしまい、要領よく仕事をサボる社員が出てくるケースもあります。実際にSNS上では、「テレワークだと適度にサボれる」というツイートをこぼしている方が見受けられました。

テレワークの効率を下げないために、上司がメンバーの業務状況をリアルタイムで確認できる体制も必要だといえるでしょう。

3.うつ状態になりやすい

テレワークでは、対面によるコミュニケーションが減り、メールやチャットなどのやり取りが多くなります。顔が見えないやり取りでは、お互いの表情がわからず、感情が伝わりにくくなります。

無味乾燥なメッセージをやり取りしているうちに、同僚から嫌われていると勘違いしたり、上司が怒っているように感じたりしてしまいがちです。

次第に孤独を感じ始めて気持ちが沈んでしまうと、仕事の生産性が下がる恐れがあります。最悪のケースではうつ病を発症してしまい、働けなくなってしまうリスクもゼロではありません。

社員が生き生きとテレワークを行えるよう、孤独やうつについて対策を講じておくことも重要です。

関連記事:【上司必見】テレワークの鬱(うつ)対策とは? 社員の孤独を解消するのにおすすめのツールも紹介

4.仕事環境が整備されていない社員がいる

テレワークを行うときには、インターネット環境はもちろん、パソコンをおいてじっくり作業できるワークスペース、仕事に集中できる静かな環境などが必要です。

レンタルオフィスやサテライトオフィスなどを利用するのであれば、あらかじめ整備された環境で仕事に打ち込めますが、自宅であれば話が変わってきます。

インターネットの通信速度が遅いと、情報の収集やデータの送受信に時間がかかってしまい、業務の効率が低下してしまいかねません。

また、机が狭くてパソコン作業がしづらかったり、イスの座り心地が悪くて仕事中に疲れやすくなったりすることもあります。

そのほか、自宅に小さな子供やペットなどがいると、世話をしなければならない場面もあるでしょう。

したがって、遠隔地でも働きやすい環境を社員に整備させることが大切です。

5.オフィスでしかできない事務作業がある

オフィスでしかできない事務作業があると、場合によって出社しなければいけなくなり、テレワークの効率が悪くなります。

たとえば、押印や署名、紙媒体の書類管理などに関するやり取りが挙げられるでしょう。

既存業務を点検して、テレワークと相性の悪い作業を見直すことが重要です。タイミングを見計らって脱印鑑化やペーパーレス化を検討する必要があります。

テレワークの効率を高める工夫

テレワークを導入したからといって、必ず生産性が高まるわけではありません。効率を高める工夫を行うことが重要です。上司や管理職の方が検討しやすい方法をまとめましたので、必要に応じて実践してみてください。

1.適切なツールを有効活用する

テレワークの普及にともない、各社からテレワークをサポートするさまざまなツールが提供されています。最も代表的なのが、テレワークのコミュニケーション不足を補ってくれるツールです。チャットや音声通話などでスムーズにやり取りできるようになります。

そのほか、従業員の作業を監視できるツールやプロジェクトを管理できるツールなどもあります。テレワークの課題に応じて適切なツールを有効活用しましょう。

ツールによっては、月額料金制や従量課金制など料金体系が異なります。自社に負担が少ない料金体系を選ぶことも大切です。中には無料で使えるツールも存在しています。うまく選べば、コストをかけずにテレワークを効率化することも可能でしょう。

2.仕事の作業時間を視覚化する

テレワークでは、社員の仕事ぶりが見えづらい環境で業務を進めていくことになります。業務に必要以上の時間をかけている社員を放置してしまえば、テレワークの効率が下がってしまいかねません。

したがって、社員の作業時間を視覚化して、作業につまずいている社員の存在に上司が気づける環境を整えることが重要です。

また、作業時間が視覚化されることで、社員も業務に時間をかけすぎていることに気づけます。自然と効率的な業務を心がけるようになるでしょう。

3.テレワーク手当を支給する

社員がテレワークを効率的に行える環境を整えやすくなるように、テレワーク手当を支給する方法を検討してみましょう。

テレワークでは、ネットワーク環境の整備が求められます。ネット環境をすでにプライベートで整備している社員もいますが、ビジネスに適した環境が整っているとは限りません。

ウェブ会議システムを利用しているときに、ネット環境によっては通話が途切れてしまうケースも珍しくありません。

会社がテレワーク手当で環境整備にかかるコストを負担することで、社員がネット環境を整えやすくなります。

また、テレワークで自宅に長くいると、光熱費も増加してしまいがちですが、テレワーク手当で生活費の負担増加に対処すれば、社員も安心して働きやすくなります。

4.雑談の機会を設ける

脳科学の分野では、人間の集中力には限界があり、2時間ほどしか続かないと言われています。

テレワークにおいても集中力を切らさないように、ショートブレイクが必要です。具体的な小休止の手段として雑談が挙げられます。雑談をすると必然的に仕事の話も多くなります。何気ないやり取りがきっかけで、新たなアイデアが生まれることもあるでしょう。

そのほか、意思決定の結果に対する納得感が高まったり、メンバー同士が親しくなって団結力が高まったりする可能性もあります。テレワークの効率アップはもちろん、このような副次的なメリットも期待できます。リーダー自ら雑談を誘発してみるとよいかもしれません。

5.服装のルールを決める

テレワークでは、職場の同僚や上司と対面せずに仕事ができるので、午前中に寝巻のまま仕事をしたり、化粧をしないで仕事をしたりすることも不可能ではありません。

しかし、仕事とプライベートの境目が曖昧になってしまうと、仕事の効率が下がってしまう社員もいるでしょう。また、ラフすぎる服装をしていると、突然Web会議が行われるときにスムーズに参加しづらくなります。

したがって、テレワークの効率を下げない服装について、最低限ルールを決めておくのが無難です。

関連記事:テレワークのデメリット対策で売上アップ・コミュニケーション改善!

テレワークの効率を上げるツール

テレワークの効率を上げるツールはさまざまあります。ここからはテレワークの効率を上げるツールを一挙にまとめて紹介していきます。

ただ、すべてのツールを導入するのは、コストの観点からも現実的ではないのでチームに必要だと思うツールに着目し、チームとの相性まで考えて導入を検討してみてください。

1.社内コミュニケーションツール

社内コミュニケーションツールとは、メールや電話よりも効率的な意思疎通を実現するツールです。ブラウザからメッセージをやり取りできるチャットツールや、複数人で映像通話ができるウェブ会議ツールなどが挙げられます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:情報伝達の手間が少なくなる

チャットツールでは、テレワークのメンバーを一つのグループにまとめて、メッセージをやり取りできます。基本的に一対一のやり取りがほかのメンバーにも公開されます。同僚や上司が自分に関係する情報を自然に取得できて効率的です。

理由2:無駄な作業を減らせる

ウェブ会議ツールを利用すれば相手の表情までわかり、理解度を把握できます。適切にフォローすれば、理解できていない状態で無駄な作業が行われるリスクを減らせます。結果として、テレワークが効率的に進むでしょう。

関連記事:オススメ社内コミュニケーションツール!目的別ランキング2022年版

2.監視ツール

監視ツールとは、社員の業務遂行に関する情報を監視できるサービスです。勤怠状況や社内情報へのアクセス、アプリの利用時間などを把握できます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:社員が業務をサボりづらくなる

社員の業務状況を上司が確認できるようになるため、社員がテレワーク中に業務をサボりづらくなります。

理由2:テレワークの作業に緊張感をもたせられる

上司に作業を把握されているとメンバーの緊張感が高まりやすくなり、リモートでも作業の効率が上がる可能性があります。

関連記事:テレワーク下で生産性を高められる監視ツール・方法・導入手順とは?

3.バーチャルオフィスツール

バーチャルオフィスツールとは、仮想空間のオフィスでアバターを通じてコミュニケーションできるツールです。実際のオフィスに出社しているときに近い感覚で意思疎通が行えます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:スケジュールを調整せずに通話しやすい

仮想オフィス環境で社員同士の状況をおおよそ把握できるので、お互いに通話できるタイミングがわかりやすいです。打ち合わせのためにスケジュール調整をしなくて済むので、テレワークが円滑になります。

理由2:孤独を感じづらく社員が生き生きと働きやすくなる

アバターを通じて気軽にコミュニケーションが交わせるので、業務の悩みを相談しやすいだけでなく、雑談も行えます。テレワークでも孤独を感じづらく、社員が生き生きと働きやすくなります。

関連記事:【2022年版】バーチャルオフィスツール比較 12選!無料で即使えるツールも紹介。

4.文字起こしツール

文字起こしツールとは、音声を自動的に文字として出力してくれるツールです。音声を聞いて文字を入力する手間を省略できます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:テレワークの会話中にメモを取らずに済む

AIが会話を解析してテキストに変換してくれるツールがあります。テレワーク中の会話を記録できるので、メモを取る時間を減らせるほか打ち合わせにも集中しやすいです。

理由2:会議の情報共有が簡単に行える

文字起こしツールによって自動で作成された議事録を活用すれば、メンバーがテレワークの会議に参加できなかったときでも、効率的に情報を共有できます。

5.音声翻訳ツール

音声翻訳ツールとは、音声を翻訳して異なる言語を理解できるようにサポートしてくれるツールです。英語だけでなく、フランス語や中国語、ベトナム語など、さまざまな言語に対応しているツールもあります。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:通訳してくれるメンバーいないときでも業務を遂行できる

テレワークで通訳してくれる人がいないときでも、外国人のメンバーと意思疎通を行えるようになり、効率的に業務を遂行できます。

理由2:国産ツールの使い方を外国人に説明しやすくなる

テレワークで使用するツールはさまざまです。外国人のメンバーが国産ツールの利用方法がわからないときにも、使い方を説明しやすくなります。

関連記事:音声翻訳アプリおすすめ10選|種類別ランキング

6.電子契約ツール

電子契約ツールとは、クラウド上で契約を締結できるツールです。契約書のテンプレートを保存したり、電子文書を取引先ごとに一覧表示したりできます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:テレワーク中の事務作業が減る

書面の印刷や押印、サインなどが必要なくなり、テレワーク中に出社をしなくて済み、業務が中断されにくくなります。

理由2:契約書類を効率的に探せるようになる

契約書をクラウド上でデータ化できるので、テレワーク中に必要な書類を効率的に検索できるようになります。

関連記事:【厳選比較4選】電子契約システムのベストチョイスを項目別に解説

7.勤怠管理ツール

勤怠管理ツールとは、社員の出退勤の時間管理を行えるツールです。給与計算システムが入ったツールを利用すれば、正確で効率的な事務作業も実現できます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:効率の悪い業務を発見しやすくなる

社員の勤務状況を視覚化することで、テレワークで見えづらい残業の発生を正確に把握できます。無駄な業務プロセスを発見して対処すれば、テレワークの効率化を実現可能です。

理由2:有給休暇や残業の申請で書類が不要になる

有給休暇や残業の申請・承認に対応したツールがあります。テレワーク中に書面のやり取りが発生せず効率的です。

関連記事:勤怠管理ツールのおすすめを7つに厳選! 機能やメリット、選び方、注意点なども解説【ツール一覧40選あり】

8.SFAツール

SFA(Sales Force Automation)ツールは、営業活動を効率化するためのツールです。顧客情報を一元管理して、見込み客と継続的にコミュニケーションを交わせます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:リモートでも商談情報を共有できる

営業担当者が入力した商談の進捗状況を別のメンバーも把握できます。社内SNSが搭載されたツールもあり、テレワーク中でも営業戦略の変更にリアルタイムで対応しやすくなります。

理由2:テレワーク中の新人教育にも役立つ

SFAツールでは営業ノウハウを蓄積することができます。対面で会えないテレワーク中でも新人営業担当の教育を行いやすくなります。

関連記事:【厳選】おすすめSFAツールを紹介。選定ポイント別選び方ガイド

9.MAツール

MAツール(Marketing Automation)ツールは、マーケティング活動を自動化するツールです。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:無駄なメール配信を減らせる

見込み客に応じてメールの内容やタイミング、配信頻度などを設定できます。テレワーク中のメール配信を最適化できます。

理由2:ビジネスチャンスを逃しづらくなる

見込み客がメールを開封したとき、連携しているビジネスチャットツールにアラートを通知するMAツールもあります。テレワーク中に見込み客へアプローチするチャンスを逃しづらくなります。

10.プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトのスケジュールや進捗状況を管理できるツールです。ソフトウェアの開発やデザインの制作など、特定の分野に特化したツールを利用すると、業務をさらに効率化できます。

【テレワークの効率アップが期待できる理由】

理由1:納期に間に合わない事態を防げる

テレワークではメンバーの業務の進行状態がわかりづらくなります。プロジェクト管理ツールで業務の状況を視覚化すれば、作業が遅れているメンバーを把握でき、納期に間に合うよう効率改善に向けフォローできます。

理由2:タスクについて効率的に相談できる

タスクごとにコミュニケーションできるチャット機能を持つツールもあり、テレワーク中にわざわざ電話やメールをする手間を省けます。

関連記事:プロジェクト管理の無料ツール14選! 選び方や有効活用する方法などを解説!

テレワークの効率を高めるために最低限用意しておきたいツールは?

ここまで、テレワークの効率を高めるツールが様々あるとお分かりいただけたでしょう。ただ、種類が多すぎて選び方に迷ってしまった方もいるかもしれません。最低限用意しておきたい具体的なツールもまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

1.VoicePing

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VoicePingは、テレワークの生産性を最大限に高めることを目的として設計されたバーチャルオフィスツールです。社内コミュニケーションに特化した声かけ機能、自由度の高い共同作業ツールに、音声認識AIによる議事録自動作成に加え、日本語・英語・中国語・ベトナム語間のリアルタイム音声翻訳まで備わっています。

2.Zoom

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Zoomは、新型コロナウイルスの影響で広く使われるようになったWEB会議ツールです。URLを共有することによって、基本無料でWEB会議を行うことが可能です。特に大規模のオンラインミーティングが可能なため、ウェビナーや説明会などで使用できます。

3.   Slack

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URL : https://slack.com/intl/ja-jp/

Slackは、アメリカ企業が提供しているビジネスチャットツールです。Zoom、Google Calendar を含む多くのツールと連携できることが大きなメリットです。

テレワークの効率をアップしてビジネスを成功させよう!

以上、テレワークの効率に関する調査結果をはじめ、テレワークの効率が悪くなる原因やテレワークを効率化する工夫などを解説しました。

コミュニケーションの取りづらさや孤独を感じやすい環境など、自社でも心当たりのある原因がいくつかあったのではないでしょうか。

今回紹介した以外にも、テレワークの効率を低下させている原因が、社内にあるかもしれません。社員の仕事ぶりをリアルタイムで確認することを心がけ、効率低下の原因が見つかったときは早急に対処していきましょう。

ただ、テレワークだとすぐそばで社員の勤務状況を把握できませんので、今回紹介したバーチャルオフィスツールや監視ツールなどを有効活用することが大切になってきます。

適切なツールを用いてテレワークの効率をアップさせて、ビジネスを成功に導きましょう。

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