ヨーロッパのスペインや中南米のメキシコ、コロンビア、アルゼンチンへ旅行したり、スペイン語話者と会話したりする場合には、スペイン語対応の音声翻訳アプリやツール、サービスが欠かせません。
この記事では、スペイン語対応の音声翻訳アプリ・サービスの使い方、メリット、注意点、活用事例、今後期待される改善点まで詳しく解説します。
スペイン語の音声翻訳とは
スペイン語の音声翻訳とは、相手が話すスペイン語を日本語に翻訳したり、自分が話す日本語をスペイン語へ翻訳したりできるアプリやツール、サービスです。
WEB会議にスペイン語を話す人が参加している場合には、発言した音声を字幕として翻訳することもあります。
大半の音声翻訳アプリ・サービスは主要な言語に対応しているため、スペイン語専用の音声翻訳サービスを導入する必要はありません。
スペイン語の音声翻訳の使い方
スペイン語に対応した音声翻訳サービスは、以下のようなシーンで利用されています。
- スペイン・中南米への旅行
- スペイン語学習
- オンライン商談・WEB会議
スペイン・中南米への旅行
スペイン語は、英語・フランス語・アラビア語に次いで4番目に多くの国で使用されている言語です。スペイン語を公用語としている国・地域の数は21以上あり、ヨーロッパのスペインで中南米のメキシコ、コロンビア、アルゼンチンで使用されています。
また、米国のニューメキシコ州ではスペイン語が事実上の公用語となっており、カリフォルニア州やフロリダ州、テキサス州などにおいても第二言語となりつつあることから、米国でもスペイン語を学ぶ人が増加しています。
スペイン語学習
スペイン語学習でも、スペイン語に対応した音声翻訳サービスが利用されています。
スペイン語に対応した音声翻訳アプリには、単語の意味が分かる辞書機能や日常会話で利用される機会が多いフレーズなどが掲載されているアプリもあります。
スペイン語を音声で出力できるアプリなら、ヒアリング学習としても活用できるでしょう。
オンライン商談・WEB会議
オンライン商談やWEB会議でも、スペイン語に対応した音声翻訳サービスが利用されています。インターネット利用者の約8%がスペイン語を使用しており、英語・中国語に次ぐ第三の言語となっています。
スペイン語を主要な言語として使用するのはスペイン人以外にもたくさんいるため、英語では対応できない場合に備えてスペイン語も準備しておくことが重要です。
スペイン語の通訳がいれば対応できますが、音声翻訳が利用できるWEB会議ツールの方が気軽に参加できるでしょう。
スペイン語の音声翻訳のメリット
スペイン語に対応した音声翻訳サービスのメリットは以下の3つです。
- 目的に応じて使い分けができる
- リアルタイムに翻訳できる
- 精度が高い翻訳ができる
目的に応じて使い分けができる
スペイン語に対応した音声翻訳サービスのメリットは、目的に応じて使い分けができることです。
旅行に行って現地の人と交流したり、日本へ観光に来た人と店頭で接客したりするような場面では、持ち運びできる音声翻訳アプリや音声翻訳機が便利です。
一方、オンラインのWEB会議でスペイン語を話す人と商談するといったビジネスシーンでは、音声翻訳機能でスペイン語を日本語の字幕として翻訳できます。
リアルタイムに翻訳できる
スペイン語に対応した音声翻訳サービスのメリットは、リアルタイムに翻訳できることです。
紙の辞書や電子辞書を使って翻訳すると時間がかかるため、対面でのコミュニケーションでは表情などのニュアンスを読み取れないかもしれません。WEB会議だと時間が長引いて他の参加者の迷惑になるでしょう。
一方、音声翻訳サービスなら搭載された翻訳AIによってリアルタイムな翻訳が可能です。
精度が高い翻訳ができる
スペイン語に対応した音声翻訳サービスのメリットは、精度が高い翻訳ができることです。
日常会話程度であれば高い翻訳精度が求められることは少ないですが、ビジネスシーンではスペイン語特有の言い回しや医療や法律、IT分野などの専門用語まで理解しておく必要があります。
音声翻訳サービスはAIの技術を応用しているため、日常会話で使うフレーズだけでなく普段使わないような専門用語の翻訳も可能です。
ただし、利用するサービスごとに翻訳の精度は異なります。
音声翻訳サービスを選ぶ際には、以下のような点を確認しておきましょう。
- 固有名詞を別途登録して精度を高めているのか
- 利用者の話し方や語尾を反映できるか
- 話者分離はできるのか
- 適切な句読点を挿入してくれるか
スマートフォンで利用できるスペイン語の音声翻訳アプリやサービス
スマートフォンで利用できるスペイン語の音声翻訳アプリやサービスなら、iPhoneやiPad、Android対応のスマートフォン・タブレットなどのモバイル端末にインストールしておくことでスペイン語の音声翻訳ができます。
スマートフォンは多くの人が常に持ち歩いているモバイル端末なので、場所を問わずスペイン語の音声翻訳ができます。
ほとんどの音声翻訳アプリは主要な言語にも対応しているため、日本語からスペイン語への音声翻訳ができるだけでなく、英語や中国語からスペイン語への音声翻訳も可能です。
また、スペイン語で書かれた文章を日本語に翻訳したり、写真に撮影したスペイン語を日本語に翻訳したりすることができるモバイルアプリもあります。また、翻訳したスペイン語を音声として出力することもできるので、スペイン語の発音も練習する場合にもおすすめです。
スペイン語を含めた主要な言語の音声翻訳ができるモバイルアプリについては下記の記事で紹介しています。
パソコンで利用できるスペイン語の音声翻訳アプリやサービス
オンライン商談やWEB会議ではパソコン上で音声翻訳が必要になるケースがあります。
パソコンで利用できるスペイン語の音声翻訳アプリやサービスは以下の2つです。
- WEB会議システム
- バーチャルオフィスツール
WEB会議システム
Microsoft TeamsやGoogle MeetなどのWEB会議システムでは、WEB会議中に音声を翻訳し、画面に字幕として表示できます。スペイン語だけでなく、英語や中国語など複数の言語の翻訳も可能です。ただし、音声を翻訳して音声で出力することはできません。
Web会議システムについては下記の記事で詳しく解説しています。
バーチャルオフィスツール
バーチャルオフィスとは、社員一人ひとりがアバターを持って仕事をするオンライン空間「バーチャルオフィス」という概念を実装したソフトウェアツールで、仮想オフィスやオンラインオフィス、クラウドオフィス、webオフィスとも呼ばれています。
バーチャルオフィスツールについては下記の記事で詳しく解説しています。
スペイン語の音声翻訳を使用する際の注意点
数多くリリースされている音声翻訳アプリ・サービスの中から自社に最適なものを選ぶためには、以下の5点に注意しましょう。
- 複数の言語に対応しているか?
- 翻訳の精度・速度はすぐれているか?
- 用途に適しているか?
- 予算内の価格で導入できるか?
- 使用するデバイスに対応しているか?
複数の言語に対応しているか?
スペイン語に対応した音声翻訳アプリ・サービスの多くは複数の言語に対応しており、スペイン語以外のどの言語に対応しているかが異なります。
対応言語を確認する際に見落としがちなポイントは、日本語以外の言語に対応しているかです。
例えば、スペイン語から日本語への翻訳に対応していても英語からスペイン語への翻訳ができない場合、英語の話者はスペイン語の会話の内容を十分に理解できません。
音声翻訳アプリのWebサイトやカタログに対応言語が掲載されているので、導入前に必ず対応言語を確認しましょう。
翻訳の精度・速度はすぐれているか?
音声翻訳サービスの音声認識・翻訳の精度とスピードは、搭載されている翻訳AIの性能次第です。高性能な音声翻訳サービスであれば、以下のような機能が利用できます。
- 正確な翻訳を瞬時に表示できる
- 翻訳した音声を音声で出力できる
- 専門用語や固有名詞の翻訳
- 利用者の話し方のクセを認識できる
- 複数の話者を区別できる
- 適切な箇所に句読点を挿入できる
翻訳AIの精度が高ければ高いほど、人の翻訳者を介したコミュニケーションのような違和感のないやりとりが実現できます。
用途に適しているか?
音声翻訳サービスは目的に合わせたものを利用できますが、用途に適したものを選択することが重要です。
ビジネス会議で利用する場合 | 海外旅行や外国人観光客向けに利用する場合 |
・複数のメンバーが話をしても正確に翻訳できる ・Web会議に対応できる ・文字起こしと連携し、議事録作成に対応している | ・海外やオフラインで利用できる ・持ち運びできる ・屋外のノイズがある箇所でも音声をキャッチして翻訳できる |
上記のように、利用シーンから逆算して必要な機能・特徴をイメージすることが重要です。利用人数・状況・使用言語などを具体的にイメージした上で、音声翻訳サービスを選定しましょう。
予算内の価格で導入できるか?
音声翻訳アプリを導入する前に費用の確認も重要です。
音声翻訳アプリの費用は大きく分けて4つの種類があります。
- 無料
- 定額制(月額/年額)
- 従量課金制
- 買い切り型(導入時にアプリ代金もしくは端末代金を支払った後は費用がかからない)
翻訳の精度・機能・対応言語などさまざまな条件があるため、どのプランがよいとは一概にはいえません。重要なポイントは、利用目的に合わせてコストパーフォマンスの良いツール・サービスを選定することです。
使用するデバイスに対応しているか?
音声翻訳アプリは、PC・スマートフォン・タブレット・翻訳専用機などさまざまなデバイスに対応しています。
観光やビジネスなどで対面による音声翻訳が必要な場合は、持ち運びしやすいスマートフォンや翻訳専用機がおすすめです。
一方、PC上で行うWEB会議の音声翻訳をしたいなら、WEB会議ツールと連携できるPC用のアプリを導入しましょう。
アプリによって利用できるデバイスが異なるため、どのデバイスで音声翻訳をする予定なのかを確認し、対応しているアプリを選ぶ必要があります。
スペイン語の音声翻訳を使った事例
スペイン語の音声翻訳サービスは、旅行やオンライン商談以外にも以下のようなさまざまなシーンで利用されています。
- インバウンド対応
- タクシー・飲食・宿泊予約
- 交番を訪れる外国人の対応
- 駅で忘れ物をした外国人への対応
- 病気・けがをした外国人からの消防署での対応
- 在日外国人との地方自治体の窓口対応
地方自治体の市民サービス向上
スペイン語の音声翻訳を使った事例としては、静岡県袋井市で実施されたNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)の「自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発の実証実験」があります。
静岡県袋井市には人口の約5%を占める40カ国4,273人の外国人が在住しており、以下のような課題に対応するために研究に協力しました。
- 外国人との円滑なコミュニケーションと市民サービスの向上
- 地元開催におけるラグビーW杯2019のインバウンド対策
使用したアプリの対応言語は30言語で、音声入力ではスペイン語を含めた9言語の日本語変換に対応しています。
郵便局の窓口サービス向上
日本郵便株式会社は、全国約20,000局のタブレット端末に開発した多言語翻訳アプリを導入し、訪日・在留外国人向け窓口サービスに活用しています。
「郵便局窓口音声翻訳」の特徴
- 11言語の音声翻訳が可能
- 30言語のテキスト翻訳が可能
- 日本語・英語の翻訳ではニューラル翻訳による高精度な翻訳を実現
- 窓口で使う機会が多い専門用語や定型文を掲載
外国人患者とのコミュニケーション
コニカミノルタ株式会社は、多言語音声翻訳技術にNICTの翻訳エンジンを採用した医療機関向けコミュニケーション支援サービス「MELON」を提供し、外国人患者との円滑なコミュニケーションを実現しています。
「MELON」の特徴
- 外国人患者との会話をリアルタイムで通訳
- 通訳結果をチャット形式で表示
- 医療現場の通訳経験が豊富な通訳オペレーターへビデオ接続
- 見やすく記入しやすいフォーマットの多言語電子問診票システム
今後のスペイン語の音声翻訳に期待される開発や改善点
今後のスペイン語の音声翻訳に期待される開発や改善点は以下の通りです。
- 正確な言語識別技術の向上
- 文脈の認識
- 話者分離
- 分野毎のカスタマイズにはコストがかかる
- ビジネス分野(店舗、ホテル、公共交通機関等)への普及
- 導入コスト・ランニングコストがかかる
複数の人が参加するWEB会議では、参加者が発言した内容を自身が理解できる言語に翻訳できるだけでなく、誰が発言した内容なのかも重要です。
同時に発言すると音声認識精度が低下するケースもあるため、同時発言を分離する技術の開発も進められています。
人の声の特徴を判別して個人を特定する声認証技術はありますが、事前に音声を録音しておく必要があるためWEB会議では実用的な技術ではありません。
株式会社東芝では、1つの音声入力機器の中に複数のマイクを搭載したマイクロホンアレーを用いることで、話者ごとの音声を認識しテキスト化することを可能にしています。
株式会社フュートレックでは、音声認識時の声データから話者の声の特徴を判別することで、文字化された音声認識結果を発言者ごとに分離しています。
アップセルテクノロジィーズ株式会社のAI多言語文字起こしサービス「voitra(ボイトラ)」に搭載されている最大5人までの同時発話を自動認識する「話者分離」機能では、話者の人数を指定することでAIが指定した人数で声を聞き分けることが可能です。
弊社が提供しているVoicePingでは、話者分離された個別音声が音声認識サーバーに発話区間のみ送信されるので、低コストで高精度の音声認識が実現できます。
スペイン語会議に参加するなら「VoicePing」
VoicePingは、仮想のオフィスにて社員一人ひとりのアバターが一緒に仕事をできる感覚をもてるデスクトップアプリです。
音声認識AIによるスペイン語や日本語、英語、中国語を含む41カ国語間の同時通訳のようなリアルタイムの文字起こし・自動翻訳ができるだけでなく、以下のようなさまざまな機能が活用できます。
- 翻訳されたテキストを、WordやPowerPointなどのデータとして保存して共有できる
- 文字起こしのデータがすべて暗号化されるためセキュリティ面での信頼性が高い
- 画面上で、通話できるか否かの確認が簡単にできるだけでなく、現在どのようなタスクをしているのかを確認できる
- Web会議での音声通信・チャットボックスでのテキスト通信が利用できる
- 業務の進捗状況管理や資料共有ができる
- URL共有だけで商談やオンラインイベント、展示会、教育の場面で使える
ひと言でいえば、オンライン上でチームのメンバーが集まって仕事をしている状態に近い感覚を得られるのがVoicePingです。
VoicePingでは、スペイン語から日本語に翻訳したテキストを議事録として保存することも可能です。
多くのバーチャルオフィスツールが発売されていますが、スペイン語から日本語の通訳・文字起こしに対応したツールはVoicePingのほかにはありません。
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