2025年3月、東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2025」は、日本国内外から多くのファンや業界関係者が集まる、年に一度のアニメの祭典です。第12回を迎えた今年のイベントも、一般来場者向けの「パブリックデイ」と業界関係者向けの「ビジネスデイ」に分かれて実施され、多彩なコンテンツや活発な商談が行われました。
特に注目されたのは、コロナ禍以降、海外からの来場者数が年々増加している点です。その中で大きな課題となっているのが「言語の壁」。運営事務局を担当している株式会社ソニー・ミュージックソリューションズのカンスカ氏と岡田氏は、この課題にどう向き合い、どのようにイベント運営に反映させたのでしょうか。
本記事では、AnimeJapan 2025の「ビジネスデイ」全体統括を務めたお二人へのインタビューを通じて、VoicePingを活用したリアルタイム翻訳の実際の運用、そして今後のイベントにおける多言語対応の可能性について詳しく掘り下げます。
AnimeJapan 2024のインタビュー記事はこちら
世界が注目するアニメの祭典、AnimeJapan 2025!― 国内外のファンが東京ビッグサイトに集結

── 簡単に自己紹介をお願いします。AnimeJapan 2025ではどのような役割を担当されましたか?
カンスカさん:
株式会社ソニー・ミュージックソリューションズのカンスカと申します。AnimeJapanは一般来場者向けの「パブリックデイ」と業界関係者向けの「ビジネスデイ」で構成されていますが、私はその中でも「ビジネスデイ」のイベント全体の統括を担当しました。
岡田さん:
株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの岡田と申します。私もビジネスデイを担当しており、主に登壇者の方々とのやり取りや、出展社への対応を行っていました。
── 「AnimeJapan 2025」イベントについてご紹介いただけますか?

カンスカさん:
AnimeJapanは今回で12回目の開催となる、日本最大級のアニメイベントです。イベントは、一般来場者向けの「パブリックデイ」を2日間、業界関係者向けの「ビジネスデイ」を2日間開催しました。
まず、3月22日(土)・23日(日)に開催された「パブリックデイ」はアニメファン向けのイベントで、日本各地から多くのアニメ関連企業が出展しました。ステージイベントやグッズ販売、展示など、多彩な企画が各ブースで展開され、AJステージやコスプレエリア、フードエリアなど、来場者が楽しめるコンテンツが盛りだくさんでした。
一方、3月24日(月)・25日(火)に開催された「ビジネスデイ」は業界関係者向けのイベントで、こちらも多くのアニメ関連企業が出展。国内外から集まった企業同士の商談や、アニメビジネスに関する情報交換、セミナーへの参加など、ビジネス目的の交流が活発に行われる場となっています。
増え続ける海外来場者。その先に立ちはだかる課題とは?

── AnimeJapanは、日本国内のファンや業界関係者だけでなく、世界中のファンやパートナー企業の参加も活発に行われたと認識しています。
海外のファンやパートナー企業とのコミュニケーションにおいて、直面された課題はありましたか?また、それに対応する取り組みはされましたか?
カンスカさん:
正確な海外来場者数のデータは取得できていないため、具体的な数字はお出しできませんが、やはりコロナ明け以降、海外からの来場者が大幅に増加していると実感しています。もともと一定数はいらっしゃいましたが、昨年あたりから特にその割合が増えている印象です。
こうした背景を踏まえ、運営側では、海外からの参加者がよりスムーズにチケットを購入できるよう、環境整備を進めてきました。従来は楽天チケットのみでの販売でしたが、昨年からは台湾の「KKTIX」、今年は韓国の「Melonチケット」、さらにグローバルな旅行予約プラットフォーム「Trip.com」でもチケット販売を開始し、多言語・多地域対応を強化しています。
また、言語の壁への対応として、VoicePingを昨年のAnimeJapan 2024に続き、今年も導入させていただきました。
「またVoicePingを使いたい」その理由は?
― 昨年から続く信頼と実績が生んだ、リアルタイム翻訳の最前線

── ありがとうございます。昨年に続き、今年もVoicePingを導入いただいた理由は何でしょうか。
カンスカさん:
昨年は、VoicePingをご導入させていただいた際に好評をいただきまして、その点がまず大きな理由の一つです。先ほども申し上げたとおり、海外からの来場者が年々増加している状況の中で、引き続き言語面でのサポートは重要であると考えております。
今回ご協力いただいたセミナーにおいても、登壇者の方々は基本的に日本語で発表されており、国内来場者を主な対象とした内容となっています。しかしながら、海外からの参加者も多くいらっしゃる中で、そういった方々にも等しく情報が届き、イベントを楽しんでいただけるような環境づくりは、昨年から継続して重視している点です。
昨年の導入時には大きなトラブル等もなくスムーズに運用できましたし、他のイベントでもご一緒させていただいている実績があることから、今年もぜひ引き続き導入させていただきたいと考えました。
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専門用語もキャラ名も漏らさない!スマホで“理解”を届ける。

── 今回のAnimeJapan 2025で、VoicePingをどのように活用されましたか?
カンスカさん:
今回のビジネスデイでは、1日あたり3~4枠のセミナープログラムを実施いたしました。登壇者の方々には基本的に日本語でご登壇いただきましたが、会場には世界各国から多くのお客様にご来場いただきました。
そこで、言語の壁を越えて内容をご理解いただけるよう、メインスクリーンおよびサブモニターにQRコードを事前に表示し、ご来場者の皆様がそれぞれのスマートフォンでリアルタイム翻訳をご覧いただける環境を整えました。さらに、視認性にも配慮し、会場内にVoicePingの翻訳を投影するモニターを追加で設置いたしました。
イベントの特性上、作品名・キャラクター名など専門用語が扱われますが、VoicePingの翻訳精度はそれらの内容に対して十分に対応できていたと感じますか?
岡田さん:
はい。セミナー登壇者の方々から事前に共有いただいた専門用語をCSVフォーマットに入力し、VoicePingさんと事前に共有させていただきました。
キャラクター名や作品名の海外表記が翻訳結果に正しく反映されるよう、ご対応いただきました。当日実際に、作品名が正確な英訳で表示されているのを確認することが出来ました。もちろん、すべての作品名や固有名詞を事前に網羅するのは現実的に難しい部分もありますが、それでも高い精度で対応いただいていると感じており、その点はとても良かったと思っています。
当日のイベントでは、日本語から英語への翻訳がメインだったかと思います。翻訳の精度やスピードについて、何かフィードバックなどございましたら、ぜひお聞かせください。
岡田さん:
翻訳スピードはとても速かったです。その一方で、日本語と英語では語順が異なるため、「即時英語訳を表示し、段階的に更新していく」という方法には課題があると感じました。英語訳を読んでセミナーの内容を理解される方にとっては、日本語の進行に応じて随時英語訳に変更が入ってしまうため、分かりづらい瞬間があったように思います。
カンスカさん:
少し補足させていただきます。昨年のイベントでVoicePingを使用した際には、日本語と英語の両方の文章が必ず表示される形式でした。その際、「翻訳言語だけを表示できるとありがたい」、「フォントサイズももう少し大きくできると嬉しい」といった要望を弊社からお伝えさせていただいたのですが、今回、実際にご対応いただき、大変感謝しております。
一方で、岡田も触れていましたが、特に対談形式のセッションでは話される文章が長くなる傾向があり、それに伴って翻訳文が何度も書き換えられる場面が多く見られました。最終的な翻訳文が表示された際には、「なるほど、こういう意味だったのか」と納得できることが多かったのですが、途中の段階、つまり同じ文章が複数回書き換えられている間は、「今は前の文の修正なのか、それとも新しい文なのか」が少しわかりづらい印象を受けました。
技術的に可能かどうかはわかりませんが、多少表示にディレイ(遅れ)があっても、文章が完成したタイミングで一度に表示される方が、読み手にとってはより理解しやすいのではないかと感じました。もしそれが実現できれば、さらに快適な体験につながるのではないかと思います。
― 貴重なフィードバックありがとうございます。今後、より快適なユーザー体験をご提供できるよう、ぜひ活かしてまいります。
「簡単」で「便利」。事務局が語るVoicePingの真価とは?

― VoicePingに対する全体的な印象についてお聞かせいただけますか?
岡田さん:
昨年に引き続き、今回もVoicePingのスタッフの方に現地でサポートいただきました。
私たちもセミナーを最初から最後まで常に見守っていたわけではありませんが、全体を通して非常にスムーズに進行していただいた印象です。また、事前の段階でも、フォーマットのご提供や、必要な情報の登録などについて密にやり取りをさせていただき、非常にスムーズに対応できたと感じています。そういった点も含めて、全体的にとても良かったと感じていますし、大変助かりました。
― VoicePingに「こういう点を改善してほしい」「こんな機能があったら嬉しい」と思われた点があれば、ぜひお聞かせください。
カンスカさん:
大きな課題として感じたのは、先ほどお話しした「翻訳文が何度も書き換えられる点」くらいかと思います。
もし1つお願いできるとすれば、昨年は翻訳チャンネルで選べる言語数を最大4言語までに制限できる設定がありましたが、今回は45言語すべてが選択可能な状態になっていました。
もちろん、多国籍の参加者にとってアクセスしやすくなるという点では非常に良いと思います。ただ、AnimeJapanのように作品名やキャラクター名など、固有名詞が多く登場するイベントでは、翻訳の精度、特に誤訳をできる限り防ぎたいという思いがあります。
そのため、事前に辞書登録を行った言語のみに参加者がアクセスできるようにすることで、未登録言語での表示による誤訳のリスクを抑えることができるのではないかと考えています。こうした言語設定を、イベント運営側で柔軟にカスタマイズできるようになると、より安心してVoicePingを活用できると思います。
岡田さん:
VoicePingさんから辞書登録用のCSVフォーマットを頂きました。ただ、そちらを受領した時点ですでにセミナー登壇者に記入を依頼していた当社作成のフォーマットがあったため、それをそのままお渡しすればよいのか、それともVoicePingさんのCSVフォーマットにあらためて記入すべきなのか、もしくは両方必要なのか、そのあたりが少し分かりにくかったです。
もし両方の形式での対応が必要であれば、もう少し早い段階でフォーマットをご提供いただけると助かるなと感じました。
― ご指摘ありがとうございます。CSVにご記入いただいても大丈夫ですが、もし御社で既に作成中のフォーマットがあれば、必要な情報が含まれていればそのままご提供いただいて問題ございません!
岡田さん:
はい、助かります。ありがとうございます!
― VoicePingを一文で表現するとしたら?
カンスカさん:
いろんな意味で「簡単」で「便利」。
アニメイベントの未来を切り開く「リアルタイムAI翻訳」という希望

― AnimeJapanのようなIPコンテンツ関連イベントにおいて、リアルタイム翻訳技術はどれほど重要な役割を果たしているとお考えですか?
カンスカさん:
現状、弊社でVoicePingを使っているのはセミナープログラムだけなのですが、AnimeJapanのパブリックデイでは、一般のファン向けにたくさんのステージイベントも行っています。そこにも一部、海外からのお客様がいらっしゃっている状況です。
ステージイベントでは、声優さんが登壇してトークをしたり、新作アニメのトレーラーや未公開映像が流れたりと、内容は基本的にすべて日本語です。もちろん、現時点ではさまざまなハードルがあるとは思いますが、もし将来的にこういった一般向けイベントにもリアルタイム翻訳や通訳のサービスが導入できれば、より多くの方に楽しんでいただけるのではないかと感じました。
― 今回のAnimeJapanの運営を通じて得られた気づきや学びをもとに、今後イベントやプロジェクト運営において取り組みたいことがあれば教えてください。
岡田さん:
私自身も英語でのコミュニケーションにはまだ難しさを感じています。パブリックデイもそうですが、ビジネスデイでは特に海外からの来場者・バイヤーも多いため、今後ますます注目を集めていく中で、多言語対応の重要性を改めて実感しました。もともと必要性は感じていましたが、今回実際に現場で体験して、「やはりこれからのイベントでは欠かせない要素だな」と再認識しました。
先ほどカンスカも申しておりましたが、一般のお客様が英語や他言語でもイベントを楽しめる環境づくりは、今後ますます重要になってくると感じています。現在は、海外からお越しになったお客様が何か困って運営スタッフに声をかけたとしても、スタッフは日本語でしか対応できないことがほとんどです。少し夢のような話かもしれませんが、将来的には、海外から来場されたお客様が何の不自由もなく、日本のイベントを心から楽しめるような環境を目指していけたらと思っています。
カンスカさん:
まさに岡田が話した通りです。特にこの数年でインバウンド観光客が日本に非常に多く訪れており、それはイベントの現場でも強く感じるようになりました。特にアニメ文化には世界中に多くのファンがいて、「本場で、生で体感したい」という思いで日本に訪れる方がたくさんいらっしゃいますし、今後さらに増えていくのではないかと感じています。
我々はさまざまなイベントを運営していますが、特にポップカルチャー関連のイベントが多く、日本のコンテンツを愛する人々が集まる場で、言語の壁なく楽しめる環境づくりというのは、非常に意義深く、大きな目標になると思っています。
今回のまとめ
AnimeJapan 2025では、昨年に続きVoicePingがリアルタイムAI翻訳ツールとして採用され、国際色豊かな来場者が言語の壁を越えてイベントを楽しめる環境を支えました。株式会社ソニー・ミュージックソリューションズのカンスカさん・岡田さんへのインタビューを通して、VoicePingの現場での活用方法やその効果、そして今後の展望までを深く知ることができました。
今回のポイント
・海外来場者の増加に伴い、「言語の壁」への対策がますます重要に
・VoicePingによるリアルタイムAI翻訳が、セミナー参加者の理解をしっかりサポート
・QRコードによる手軽なアクセスと、高精度な専門用語翻訳が高評価
・翻訳の書き換え表示や、対応言語の制御など改善のヒントも見えてきた
・将来的にはパブリックデイなど、より幅広い場面での導入に期待
イベントの国際化が進む今、多言語対応は「あると便利」から「なければ困る」ものへと変わりつつあります。
VoicePingはその最前線で、すべての参加者が等しく楽しみ、理解できるイベント体験の実現をこれからも支えていきます。
株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの会社概要

設立:1987年8月21日 (発足日:2019年4月1日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
事業内容:
音楽・映像等ソフトウェアのパッケージ商品のマーケティング・ディストリビューション
EC事業、映像作品を核としたメディア・コンテンツ・イベント事業など
公式サイト:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
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