ビジネスチャットツールとして日本国内でもすっかり定番となったSlack。
無料版から気軽に試せるので、Slackに触れてみたことのある方は多いのではないでしょうか。
リモートワーク全盛の現在、様々なツールを比較してみると、Slackは「使いやすいけれど、ちょっと物足りない」ということに気がつくかもしれません。それにもかかわらず、Slackの人気が衰えないのはなぜでしょうか。
この記事では、Slackを試して不便だなと感じた方や、不満点さえ解消できればSlackを使い続けたいといった方に向けて、Slackのメリット・デメリットや、うまく活用するためのヒントをお伝えします。
目次
ToggleSlackを導入する企業が増えている背景
企業でSlackの導入が進んだのは、メールに代わる柔軟なコミュニケーション手段が求められる時代にマッチしたことが挙げられます。また、Slackは現場ユーザーの評価が高く、実際に使われる中で広まったことでより信頼感を増していきました。
出所:https://slack.com/intl/ja-jp/blog/news/slack-has-10-million-daily-active-users
テレワーク増加によるコミュニケーションツールの需要急増
日本では、新型コロナウイルス感染拡大防止策としての出社制限をきっかけに、多くの企業で急遽テレワークが導入されました。
出所:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd123410.html
十分な準備期間なく見切り発車でテレワークをスタートした結果、「細かなやり取りができず報連相が滞る」「部下の様子が分からずマネジメントできない」といったコミュニケーションの問題が浮き彫りに。
そこで、テレワークにおけるリアルタイムでのコミュニケーション実現のために、ビジネスチャットツールに注目が集まり、Slackなどのツールの導入が相次いだのです。
Slackのメリット
ビジネスチャットツールとして高い評価を得ているのは、Slackならではの強みがあるからに他なりません。
他のツールに差をつけるSlackのメリットを紹介します。
外部ツールとの連携に強い
Slackの強みは外部ツールとの連携。普段使っているアプリをSlackに連携すると、Slack上で直接開いたり、通知を受け取ったりすることが可能になります。
複数のアプリを切り替える必要がなく、Slackひとつで完結するのが便利ですね。
アプリを検索して追加できる「Slack Appディレクトリ」には2,000を超えるアプリが登録されています。
<Slackと連携可能な主要アプリ>
カテゴリ | 連携できる主なアプリ |
タスク・スケジュール管理 | Googleカレンダー、Trello |
クラウドストレージ | Googleドライブ、Dropbox |
メール | Gmail、Outlook |
営業支援ツール(SFA) | Salesforce、Senses |
MAツール | Marketo |
SNS |
Slackはパソコンやスマホの主要なOS・ブラウザに対応しています。
1つのアカウントで複数の端末にログインできるので、会社ではパソコン、外出先ではスマホなど、利用シーンで使い分けることが可能。
チャットの内容はどの端末でも同期されているので安心です。
デスクトップアプリ | MacOS、Windows、Linux |
モバイルアプリ | iOS、Android |
ウェブブラウザ | Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge |
※Slackコール対応ブラウザはGoogle Chromeのみ
ハドルミーティング対応ブラウザはGoogle Chrome、Firefoxのみ
話題別のチャンネル作成・スレッド分けが可能
1つのチャットでずっとやり取りを続けていると、さまざまな話題が混在してしまって見づらくなりますね。
そこでチャンネルの出番です。プロジェクトやトピックごとにチャンネルを作成しておけば、余計な情報に振り回されず大切な情報にすばやくアクセスすることができます。
自分に関係のない会話を延々と見る羽目になったり、必要な情報が埋もれてしまうリスクも避けられますね。
さらに、チャンネルの中で発言がごちゃごちゃになるのを避けるための「スレッド」表示にも対応。特定のメッセージに関する返信は「スレッドで返信する」機能を使うと、一連のディスカッションをスレッドにまとめることができます。
自分が参加したスレッドやメンションされたスレッドに投稿があったら通知が届くため、参加中の会話のアップデートを逃す心配もありません。
種類豊富な絵文字
言葉にしなくても感情やニュアンスをソフトに伝えることができる絵文字は、今やテキストコミュニケーションに欠かせないものとなりました。
Slackにも豊富な絵文字が用意されています。さらに、自分で絵文字を作成して登録することもできてしまいます。
また、「:(コロン)」+「絵文字コード」で絵文字を入力することもできるので、メッセージのタイピング中にマウスに持ち替えずに絵文字を入力することも可能です。
Slackのデメリットとは?
Slackは手軽に使えるバランスの良いツールですが、使ってみると少々物足りないと感じる部分があるのも事実です。
音声通話・ビデオ通話の人数制限
Slackコール(音声・ビデオ)の参加人数は、無料プランでは1対1のみ。チームでグループ通話を行いたい場合は有料プラン契約が必須となります。
有料プランのSlackコールは最大15人まで。他のツールと比較すると決して多いとは言えませんね。
カメラを使わなくても良ければ、ハドルミーティングは最大50人まで対応しています。
会議ツールとしては不便
Slackコールやハドルミーティングを利用してWeb会議を行うと、いろいろな制約があることに気づきます。
・会議の録画ができない
・参加者はチャンネルやダイレクトメッセージのメンバー。個別招待ができない
・日時予約機能がない
Slackは「ちょっとした通話」には使えるものの、きっちりとした「Web会議」にはどちらかというと不向きですね。
大規模なミーティングや日時のスケジュール、メンバーの個別招待などを行いたい場合は別の会議ツールを使う必要があります。
相手のステータスがわかりづらい
Slackでは、Active(オンライン)/Away(離席中)のログイン状態を表示していますが、これだけでは相手の繁忙度は分かりません。
相手がSlackにログインしていることはわかるけれど、作業に追われていたり、Web会議に参加していて対応できない状態かもしれません。けれど、それはこちらにはわからないので、今話しかけてよいのかどうか判断しづらいですね。
独自のカスタムステータスを表示することもできますが、各自で都度更新しなければならないのでやや面倒です。
ユーザー数が多いとコスパが悪くなる
有料プランに切り替えると、メッセージ履歴や連携できるアプリの上限が撤廃されたり、ユーザー数に応じたファイルストレージが割り当てられます。
けれども、グループ通話の参加人数は、最上位のプランでも最大15人までで変わりません。
100人分、200人分の月額料金を払っていても、全員が同時に会話できるようにはならないのです。
組織の規模が大きくなればなるほど、料金相応の恩恵を受けることができなくなり、コスパが悪くなります。
<Slackプラン別・1ユーザーあたりの料金>
フリー | プロ | ビジネスプラス | Enterprise Grid | |
月額料金(税抜) | 0円 | 850円 | 1,600円 | 要問い合わせ |
Slackのデメリット3つの解決策
Slackを使っていてデメリットを感じた時、解決策はあるのでしょうか。ここでは、Slackのデメリットを解消するためのアイディアを3つ紹介します。
1.Slackの有料プランにアップグレードする
もしも現在Slackを無料プランで使っていて、利用人数やストレージ容量、機能制限に不便を感じているなら、有料プランにアップグレードすると解決するものもあります。
ただし、今ある機能の上限アップや制限解放には有効であるものの、そもそもSlackにはない機能を求めている場合は有料プランにしても解決できないことがあります。
メリット
・参加人数やストレージ容量、機能が追加になる
・ツール運用の見直しがほぼ不要
デメリット
・Slackにない機能を求めている場合は解決にならない
<Slackプラン別・主要機能比較表>
フリー | プロ | ビジネスプラス | Enterprise Grid | |
メッセージ履歴 | 直近10,000件 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
アプリ連携 | 10件まで | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ファイルストレージ | 合計5GB | メンバー1人につき10 GB | メンバー1人につき20 GB | メンバー1人につき1TB |
Slackコール | 1 対 1 のみ | 最大 15 人 | 最大 15 人 | 最大 15 人 |
ハドルミーティング | × | 〇 | 〇 | 〇 |
画面共有 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
Slackコネクト(社外ユーザーの招待) | × | 〇 | 〇 | 〇 |
ワークフロー | × | 〇 | 〇 | 〇 |
シングルサインオン(SSO) | × | × | 〇 | 〇 |
2.他のツールに乗り換える
Slackの機能や使い勝手に不満がある場合は、他のツールへの乗り換えを検討するのも一つの方法です。
ただし、希望の条件をすべて満たす理想的なツールに出会うのはなかなか難しいことかもしれません。一つのツール上ですべて完結させようとすると、必然的に高機能・高額なツールしか選択肢がなくなることも考えられます。
また、Slackをやめて他のツールに変える場合は、これまでSlackを使っていた業務の運用を見直したり、操作方法を一から覚え直したりする必要があり、管理者にとっても利用者にとっても負担の大きいものとなります。
メリット
・Slackにない機能を使えるようになる
デメリット
・選定から導入まで時間がかかる
・操作を覚え直さなければならない
・運用自体を変える手間が発生する
3.Slackのデメリットを補うツールと併用する
今使っているSlackはそのまま、足りない部分を別のツールで補う方法です。
Slackはこれまで通り使い続け、Slackではできないことを実現するツールを探すイメージです。
Slackと完全に入れ替えるわけではないので、ツール入れ替えのようなストレスがありません。条件を完璧に満たす1個のツールを探さなくても、必要な機能を持ったツールを自由に組み合わせても良いのです。
操作するツールが増えるというデメリットはありますが、Slack連携に対応したツールであればSlackに組み込んで使うことができます。
Slackは外部ツール連携がメリットのため、足りない部分を他のツールを使って強化するのが最善の使い方ともいえるでしょう。
メリット
・慣れているSlackを利用継続できる
・Slackの弱点を補強できるため総合的に満足度が高い
デメリット
・使用するツールが増える
Slackのデメリットを補うバーチャルオフィスVoicePing
もしも「Slackは気に入っているけれど、Web会議機能が少々物足りない」と感じているならば、バーチャルオフィスツール「VoicePing」がお悩みを解決できるかもしれません。
同時接続数が多い
VoicePingでは無料プランでも5アカウント作成可能。ゲスト含め最大10人まで同時接続できます。
小規模なチームでのミーティングでは無料プランでも十分カバーできますね。
有料プランでは、さらに同時接続数を拡大することができるプランを安価で提供しています。
URL共有不要。ワンクリックで会議に招待
普段はバーチャルオフィスのフロアでメンバーと自由に会話ができますが、会議を始めようと思ったらワンクリックでスムーズに会議へ移行できます。
会議室に入ったら、メンバーをリストからクリックするだけで招待完了。メンバーが招待に応じれば会議開始です。
会議中は、画面に複数のツールを展開して共同作業ができます。
無料プランでもクラウド録画機能付き
Web会議ツールでは、クラウド録画は有料プランにしか付いていないことが多いですね。
VoicePingでは無料プランでも1回1時間×5回まで録画できます。録画データはクラウド保存だから他のメンバーへの共有も簡単です。
Slackとの文字起こし連携機能
VoicePingをSlackと併用するメリットの一つが、「文字起こし機能のSlack連携」。
会議の自動文字起こしをSlackのチャンネル上にリアルタイム同期することが可能です。
AIによる自動文字起こしは非常に精度が高く正確。
その場にいないメンバーもスマホでSlackを立ち上げれば、リアルタイムに会議の流れを追うことができます。
ステータスと活動状況が一目でわかる
VoicePingでは、オンラインステータスがアイコンの右下に常時表示されて、一目で相手の状態がわかるようになっています。
ステータスの種類は「オンライン」「取り込み中」「退席中」の3つ。
ログイン済みでも話しかけられたくないときは「取り込み中」にしておけば安心です。
「退席中」は、パソコンの操作が行われていないアイドル時間を検知して自動的に切り替わるので、切り替え忘れがありません。
また、メンバーが使用中のアプリも表示されるので、相手の様子がわかり、話しかける目安になります。
コスパ最高の4つのプラン
VoicePingのプランはアカウント数ごとに料金設定がされているので、チームの規模に応じて無駄のないプラン選択が可能です。
組織の規模が51名以上の場合に利用できる「エンタープライズプラン」は、1人あたりたったの500円で同時接続人数無制限・クラウド録画無制限。他にはないたいへんお得なプランです。
<VoicePing料金表>
同時接続数 | 月額料金(税抜) | |
無料プラン | 最大10人まで(ゲスト5人) | 0円/月 |
スモールプラン | 最大30人まで(ゲスト15人) | 7,500円/月 |
プレミアムプラン | 最大100人まで(ゲスト50人) | 20,000円/月 |
エンタープライズプラン | 無制限 | 1人あたり500円/月 |
Slackのデメリットを解消しよう
Slackの特徴は、外部ツールと連携して、すべての情報をSlack上に集約するコラボレーションハブとして機能するということ。つまり、Slackだけでは完璧ではなく、外部ツールあってのSlackなんです。
Slackのデメリットを解消するために、最適なツールを見つけてみてください。