ビジネスの現場においては、多国籍なメンバー同士でコミュニケーションが求められる機会が多く、通訳者が必要となる場面もあるでしょう。優れた通訳者を選定することは、ビジネスの機会を得ることにつながります。
しかし通訳者の選定にミスが生じると、ビジネスに大きな損失をもたらすことも十分考えられます。世界的に活躍するアスリートが、パートナーである通訳者の不祥事によって、窮地に立たされた出来事は記憶に新しいです。たとえ信頼できると感じる通訳者であっても、正確に業務を遂行してくれるとは限りません。
当記事では通訳者に依頼するメリット・デメリットを中心に紹介します。また通訳者に依頼する以外の方法として、音声翻訳ツールのご紹介もいたします。ぜひ参考にしてください。
通訳者に依頼する3つのメリット
通訳者に依頼する3つのメリットは、以下の通りです。
・適切なコミュニケーションを取れる
・専門性が高い内容に対応できる
・適切な通訳者を選定してもらえる
適切なコミュニケーションを取れる
通訳者は言語のプロであると同時に、コミュニケーションのプロでもあります。会話内容に合わせた臨機応変な対応や、相手の文化的背景や心情に寄り添ったコメントなど、適切な翻訳を行うことができます。
グローバルな環境でのビジネスは、様々な宗教や文化を持つ人々で構成されるため、全員が適切に理解できるような文脈に落とし込む必要があります。通訳者による柔軟な対応によって、円滑なコミュニケーションが期待できるでしょう。
専門性が高い内容に対応できる
専門性の高い業界や職種によっては、一般人が理解できない固有名詞や専門用語が多々含まれており、翻訳が難しい局面が生じるはずです。
通訳者であれば、語学力とコミュニケーション力に加えて、高度な専門的な知識を有しています。そのため本人の意図を正確に翻訳することが可能です。
例えばWebサービスの詳細の仕様について、エンジニアの視点から議論を行う場合、コーディングやプログラミングなどの固有名詞が発言に多々含まれるでしょう。Webサービスやエンジニアリングの分野でキャリアを培ってきた通訳者に依頼すれば、滞り無くコミュニケーションを進めることができます。
適切な通訳者を選定してもらえる
通訳会社に依頼した場合、適切な通訳者を選定してもらうことで、親和性の高い通訳者をアサインしてもらうことができます。
通訳会社への要望として、日時・言語・ジャンル・予算を伝える必要があります。希望条件を伝えるだけで、自社に合った通訳者を選べることは大きなメリットです。
さらに通訳者の実績を確認するなど、通訳者の詳細について問い合わせることも可能です。もしも特定の通訳者に興味を持ったなら、面談で具体的にやり取りを行ってみるとよいでしょう。
通訳者に依頼する3つのデメリット
通訳者に依頼する3つのデメリットは以下の通りです。
・スケジュール調整が必要となる
・費用が高額になる場合がある
・本当に相手が信頼できる人物か分からない
スケジュール調整が必要となる
通訳者を依頼するとなれば、スケジュール調整は必須です。特に専門性が高く実績の優れた通訳者は、日々業務を抱えているため、企業側の思い通りにスケジュールが確保できないこともあるでしょう。
またWeb上にてグローバルな会議を行う場合、時差を考慮したスケジュールを組まなければなりません。欧米の日中の時間帯は、日本の深夜帯に該当することもあり、ますますスケジュールの調整は困難となるでしょう。
費用が高額になる場合がある
L通訳会社に外注する場合、一括してサポートを受けられるのは大きな強みです。しかし料金が割高に設定されているケースもあり、結果として費用が高額になる可能性も想定されます。
通訳者に依頼する場合、大まかに4つのクラスごとに分類され、費用相場が設定されます。通訳者の経験によって料金は変動しますが、1日あたりの料金は1万円から12万円が目安です。
最上級となるSクラスは、15年以上の経験があり、高度かつ専門的な知見を有する通訳者です。Aクラスは10年以上の経験があり、十分な知見を有する通訳者です。Bクラスは5年以上の経験があり、通訳者として一通りのスキルセットを持っています。Cクラスは1年から3年の経験があり、日常会話レベルの通訳が可能です。
詳細は以下の表にまとめています
専門性が高く実績の優れた通訳者は、依頼費用も自ずと高額となります。費用対効果という側面を考慮した際に、長期間にわたってコスト面がネックとなることも否めません。
一方で費用が安い通訳者に依頼してしまうと、適切なコミュニケーションに齟齬が生じてしまうリスクもあります。信頼できる通訳者を依頼するのであれば、費用が高額になってしまう点は避けられないでしょう。
本当に相手が信頼できる人物か分からない
通訳者に依頼する際、最も大切な点は通訳者が信頼できるかどうかです。
特に初めて会う通訳者や、オンラインのプラットフォームを通じて見つけた通訳者の場合、その信頼性を確かめるのは容易ではありません。相手が適切な言語スキルや文化的な理解力を持っているかどうかは、実際の現場でなければ実力を見極められないでしょう。
また仕事放棄や情報漏洩のリスクなど、多くの不安要素を抱えていることは否めません。たとえ通訳者として信頼できる人物であっても、プライベート面での素行不良によって、関係性を解消せざるを得ないケースも十分想定されます。
通訳者に依頼する主な形式とは
通訳者に依頼する主な形式は、以下の通りです。
・同時通訳
・ウィスパリング
・逐次通訳
同時通訳
同時通訳とは、通訳者が発言者の言葉を聞きながら、同じタイミングで通訳する方法です。「聞く」と「話す」を同時に行う必要があることから、高度な集中力が求められます。そのため複数人体制で担当し、15分間隔で交代しながら通訳を行います。
発言者の内容がリアルタイムで聞き手に伝わることが大きなメリットです。一方で通訳者を複数人用意する必要があることから、費用が高額になりがちです。
大規模な国際会議・株主総会・パネルディスカッションなどで同時通訳が行われるケースが多いです。
ウィスパリング
ウィスパリングとは、発言者の言葉を聞き手の耳元で、ささやくように通訳する方法です。ささやくという意味の通り、ウィスパリングという名称が付けられています。
同時通訳と同様に、発言者の内容をリアルタイムで聞き手に伝えられます。通訳者を複数人用意する必要がありますが、同時通訳よりは人数を少なめに抑えられることが多いです。
少人数の会議・通訳を必要とする人が少ない状況・単独インタビューなどでウィスパリングが行われるケースが多いです。
逐次通訳
逐次通訳とは、発言者の内容を区切って通訳する方法です。発言者がいくつかの文章を話すたびに、通訳者が訳し、また発言者が話し始めるという一連の流れを繰り返し続けます。
同時通訳と比べると、いくつかの文章ごとに通訳されるため、聞き手はより正確にゆっくりと発言者の内容を理解できます。通訳者が1名のみで対応できるケースもあります。
一方で、都度話を区切る必要があることから、比較的時間を要することに留意しなければなりません。聞き手側の集中力も問われることから、参加者の態度や状況によっては逐次通訳が好ましいことがあります。
少人数の会議・オンライン会議・施設への視察などで、逐次通訳が行われるケースが多いです。
ビジネスにおける多言語対応なら音声翻訳ツールもおすすめ
通訳が求められる状況では、通訳者に依頼する方法も有力です。しかしビジネスにおいて多言語な環境でコミュニケーションを取る必要がある場合、音声翻訳ツールという選択肢をおすすめします。
音声翻訳ツールをおすすめする理由は、以下の通りです。
・AIを駆使した高度な翻訳精度
・必要な場面ですぐに利用できる
・対応言語数が豊富
AIを駆使した高度な翻訳精度
音声翻訳ツールでは、AIを駆使した通訳精度の高さが魅力です。人間である通訳者と違ってコンディションや環境面に左右されないことから、ハイパフォーマンスな通訳業務を持続的に行ってくれます。
さらに辞書登録機能を使えば、専門・業界用語や企業名まで正確に翻訳できるため、翻訳精度を向上させられます。専門性の高い通訳者を雇う場合には費用が高額となりがちですが、自社に合わせてカスタマイズを行うことで、費用を抑えながら最適な通訳を実現させることができます。
文字起こしや議事録作成の機能も搭載されているため、通訳者が担い切れない業務まで行ってくれる点もメリットです。
必要な場面ですぐに利用できる
通訳者を依頼するとなれば、スケジュール調整は必須であり、時には都合がつかないこともあるでしょう。しかし音声翻訳ツールであれば、必要な場面ですぐに利用できるため、迅速に準備を進められます。
PCやスマホですぐに立ち上げができるため、わずか数分程度でセッティングが完了します。想定外の場面で急遽通訳者が必要になった時でも、全く問題なく通訳を行えるため、ビジネスのチャンスを逃すことはありません。
豊富な対応言語数
音声翻訳ツールは対応言語数が豊富なため、あらゆる言語の通訳が求められる状況でも、滞り無くコミュニケーションを進められます。
基本的に通訳者は1つの言語のみに精通していることが多く、言語ごとに通訳者を揃える必要があります。必要な言語に応じて通訳者を準備することは、多大な労力がかかってしまい、本業を圧迫することにもつながってしまうでしょう。
ビジネス向け音声翻訳ツールのおすすめ5選
ビジネス向け音声翻訳ツールのおすすめ5選をご紹介します。
・VoicePing
・オンヤク
・Real Time Translator
・Clovernet
・YouConnect
VoicePing
会社名 | VoicePing株式会社 |
所在地 | 〒105-0023 東京都港区芝浦1-9-7 芝浦おもだかビル4F |
主な事業内容 | AI音声翻訳プラットフォーム「VoicePing」の開発・販売 |
VoicePingは最新のAI技術によって、高精度の通訳精度を実現するビジネス向け音声翻訳ツールです。ワンクリックでダウンロードとインストールが短時間で完了するため、すぐにVoicePingを利用できます。対応端末はPC・タブレット・スマートフォンに対応しています。
料金プランの中でも、プレミアムプランは文字起こし・音声翻訳・要約を無制限に行えます。通訳者を雇う場合は、人数や時間が増えれば増えるほど、費用が高額となります。しかしVoicePingであれば、費用面が高額になる心配をせずに、使いたい場面で常時稼働させることが可能です。
対応言語数は45にわたり、扱える通訳者が少ないマイナーな言語にも対応しています。状況によって通訳したい言語が異なる場合でも、すぐに言語設定を切り替えて通訳できる点もスムーズです。
参考:音声認識・翻訳言語リスト
オンヤク
会社名 | 株式会社ロゼッタ |
所在地 | 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-7-1 |
主な事業内容 | 超高精度AI自動翻訳の開発・運営 |
オンヤクは、ビジネス分野で95%の翻訳精度を実現した、日本のAI自動翻訳のリーディング企業であるロゼッタ社が開発した音声翻訳ツールです。
専門分野選択に対応しており、語句登録機能との併用によって、業界・専門用語や固有名詞を十分にカバーできます。会話内容の翻訳だけでなく、テキスト化もリアルタイムで行ってくれます。
料金プランの一例は以下の通りです。
出所:オンヤク
Real Time Translator
会社名 | 木村情報技術株式会社 |
所在地 | 〒849-0933 佐賀県佐賀市卸本町6-1 ※佐賀本社 |
主な事業内容 | 人工知能(AI)活用事業及び人工知能サービスの研究・開発など |
Real Time Translatorは、東証一部 / NASDAQ上場企業から220社以上で導入されており、実績面から信頼を置ける音声翻訳ツールです。※2021年11月現在
認識対象言語は100以上、言語認識率は97%以上と、数字面から実績が優れていると評価できます。辞書登録機能もあるので、固有名詞の翻訳も問題ありません。
2週間の無料トライアルを受け付けていますが、トライアルの開始までに打ち合わせや準備で約14営業日を要する点に注意しましょう。
Clovernet
会社名 | NECネクサソリューションズ株式会社 |
所在地 | 〒105-8540 東京都港区芝三丁目23番1号 セレスティン芝三井ビル |
主な事業内容 | システムインテグレーション、アウトソーシング、ASPサービス、ソフトウエアの設計、開発、販売、保守、ネットビジネスなど |
Clovernetは、日本を代表する大手IT企業であるNEC系列の会社が提供する音声翻訳ツールです。
ユーザー数の上限が無く、時間別の課金制を採用しており、必要な分だけ料金プランを選択できることがメリットです。大人数で利用しても料金は変わらないため、大規模な会議やイベントで利用する機会が多い会社との親和性が高いでしょう。
1ヶ月の無料お試しトライアルを設けており、性能を試すには十分な期間です。
料金プランは以下の通りです。(初期費用は0円)
YouConnect
会社名 | 株式会社MATRIX |
所在地 | 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-7-1 ニュー九段下ビル5F |
主な事業内容 | 非ゲームの多業種総合の生活VRサービスの創出、及び言語フリーシステムを活用したデバイスフリーの多業種総合ライブサービス |
Clovernetは、株式会社MATRIXが提供する音声翻訳ツールです。文書AI翻訳のパイオニアである株式会社ロゼッタの子会社です。
お客様の声には「定期的に機能がアップデートされている」「お客様満足度アンケートで、当社に高いスコアを頂けるようになった」などの意見が掲載されています。
官公庁や大企業が求めるセキュリティ要件を満たしているとのことで、別途セキュリティ関連資料を用意するなど対策を行っています。
料金プランは以下の通りです。
【料金プラン】
・フリープラン:無料 お試し版
・Proプラン:9800円/月 自動議事録
・Secureプラン:39800円/月 高度なセキュリティ対応/自動議事録
ビジネスにおける音声翻訳ツールの活用事例
当社VoicePingでは、QRコードを活用し700人の参加者に対して、リアルタイムな音声翻訳を実現しました。通訳者を介さずとも、大規模なイベントで適切なコミュニケーションを実現させる成功例となりました。
Twitter創業者のJack Dorsey氏から、今回の翻訳の支援に関して感想を頂いています。
当イベントの詳細については、以下の記事をご覧ください。
Nostrasia イベントにて、 QR コードによる 700 人の参加者向けのシームレスな音声翻訳を提供しました
またバルセロナで行われた2024年モバイル・ワールド・コングレス(MWC)にて、VoicePingのリアルタイムAI音声翻訳は大きな注目を集めました。
当社CEOである中島明憲によって、プレゼンテーション中に、QRコードを介したVoicePingの翻訳技術のライブデモンストレーションを実施しました。世界中の人々をつなぐためのリアルタイム翻訳の可能性を示した内容となっています。
当イベントの詳細については、以下の記事をご覧ください。
まとめ
当記事では通訳者に依頼するメリット・デメリットを中心に紹介しました。おすすめのビジネス向け音声翻訳ツールも、合わせて参考になれば幸いです。
通訳者が必要だと感じられても、ビジネス向け音声翻訳ツールが適切な役割を果たすことも十分に可能です。ぜひ通訳者以外の選択肢として、ビジネス向け音声翻訳ツールを検討してください。
VoicePingでは2週間の無料トライアル期間があるため、お試ししたい方はお気軽にお問い合わせください。オンライン説明会の申込みや、資料のダウンロードも可能です。