「台湾の故宮博物院へ行ってみたい!」
「故宮博物院はどんな博物館なの?」
このような疑問を持っていませんか?
この記事では、台湾の故宮博物院の見どころである代表的な展示物5つとアクセス方法や入場料・開館時間などの基本情報を紹介します。
最後まで読むと、中国式庭園である故宮博物院の「至善園」や館内のレストランやカフェ、ショップもわかります。
台湾の故宮博物院とはどんなところ?
故宮博物院は多くの人が訪れ、台湾の有名な博物館として知られています。
また、以下の3つの美術館と並ぶ「世界4大美術館」の1つです。
- フランス:ルーブル美術館
- ロシア:エルミタージュ美術館
- アメリカ:メトロポリタン美術館
台湾の台北市にある故宮博物院は、北京の故宮歴代皇帝が集めた収蔵品が展示されており、中国4000年の歴史を体感できます。
約70万点の収蔵品のある故宮博物院では、常時約2万点展示されています。
敷地も広大なため、展示エリアは本館(第一展覧エリア)と図書文献館(第二展覧エリア)があり、約7000坪の中国式庭園である「至善園」も散策できます。
故宮博物院館内を鑑賞するには、1日かけても見終わらないのではないでしょうか。
常設展は時期によって展示品が変わります。
特別展も開催されているので、ぜひこちらもチェックしておくとよいですよ。
知っておこう故宮博物院が2つある理由とは?
故宮博物院と聞くと台湾を思い浮かべますが、実は中国の北京市にも存在します。
北京市の故宮博物院は「紫禁城(しきんじょう)」と呼ばれ、「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」の1つとしてユネスコの世界遺産となっています。
故宮博物院の始まりは、清朝最後の皇帝である溥儀が北京の紫禁城から退去した後、1925年に歴代皇帝が所有していた至宝を一般公開したことからです。
その後、満州に駐留していた日本軍が華北地方に侵略。
国民政府(中華民国政府)は、故宮博物院の所蔵品を戦火から守るために上海と南京に移動しました。
第二次世界大戦終結後、所蔵品は当時の中国首都である南京へ戻りましたが、国共内戦で中華民国政府の形勢が不利になったため、1948年より台湾の台北へ運び出されました。
このような経緯により、元々北京市の故宮博物館である紫禁城にあった至宝が、長い年月をかけて台湾に渡ったのです。
ここが見どころ!故宮博物院の展示物5選
故宮博物院では、常時約2万点もの収蔵品の展示がされています。
その中でも有名な作品は、以下の5つです。
- 翠玉白菜(すいぎょくはくさい)
- 肉形石(にくがたせき)
- 毛公鼎(もうこうてい)
- 白磁嬰児枕(はくじえいじまくら)
- 象牙透彫雲龍文套球(ちょうぞうげとうかうんりゅうもんとうきゅう)
翠玉白菜、肉形石、毛公鼎の3つは「故宮三宝」といわれているので必見です。
それぞれの作品について詳しく紹介します。
1.翠玉白菜
翠玉白菜は、半分が白と半分が緑の翡翠輝石から彫られた白菜の作品です。
清の時代に製作され作者不明ですが、清11代皇帝である光緒帝(こうしょてい)の妃である瑾妃(きんひ)の持参品と考えられています。
サイズは、高さ18.7cm、幅9.1cm、厚さ5.07cm。
現物の白菜よりも小さく、葉の部分には多産の象徴であるバッタとキリギリスが彫られているのが特徴的です。
2.肉形石
肉形石は、層状に積み重なった不透明な天然石を彫って、東坡肉(トンポーロー)を模した作品になります。
清の時代に製作されており、清の第5代皇帝である雍正帝以降の執務室兼寝室であった養心殿に陳列されていたもの。
サイズは高さ5.7cm、幅6.6cm、厚さ5.3cmと大変小さいです。
表面を豚の皮に似せた細工を巧に施し、石の節目や色を利用して染料で染め、見事に豚の角煮を再現しています。
3.毛公鼎
青銅で作られた毛公鼎は、3本の足を持つ中国古代の器物です。
西周時代ごろに製造され、器の内側には約500文字の金文が刻まれています。
金文の内容は、西周晩期に中興の祖である宣王が功労のあった臣下の毛公瘖に授けた官職任命の辞や訓戒です。
毛公鼎のサイズは、高さ53.8cm、口径47.9cm、重さ34.5kgで、金文の長さの割にそこまで巨大ではありません。
最も長い金文が刻まれた歴史的に価値のある展示物です。
4.白磁嬰児枕
白磁嬰児枕は、2019年に国宝に認定された故宮博物院でも人気の高い展示物です。
北宋時代に作られた陶磁器製の枕で、サイズは高さ18.8cm、長さ31cm、幅13.2cm。
中国では隋唐時代から磁器の枕が登場し始めて、徐々に日常で使われるようになったといわれています。
磁器製枕には幾何学や動物の作品もありますが、白磁嬰児枕は幼い男の子をモチーフにしており、その背景としては男の子が生まれるようにと子孫繁栄の願いを込めて作られたそうです。
5.象牙透彫雲龍文套球
精妙な彫刻が施された球体の彫象牙透花雲龍紋套球は、1本の象牙から24層に掘り出した作品です。
球の表に9匹の龍が彫られ、透かし彫りなどの装飾を施されたそれぞれの層も回る仕組みになっています。
人間業とは思えない精密さで、現在では製作は不可能といわれています。
展示物の中でも一見の価値がある作品です。
便利な故宮博物院への4つのアクセス方法
※画像引用:国立故宮博物院公式サイトより
故宮博物院へ行くには、以下の4つの便利なアクセス方法があります。
- MRT(地下鉄)
- 公共バス
- タクシー
- オープントップバス
4つのアクセス方法について紹介します。
1.MRT(地下鉄)
故宮博物院へ行くためのMRTの最寄駅は3つあります。
- MRT淡水信義線 【士林駅】
- MRT文湖線 【剣南路站】
- MRT文湖線 【大直駅】
駅に到着したら、故宮博物院までは公共バスへ乗り換えます。
MRT台北駅からMRT士林駅までの場合、所要時間11分。
料金はTWD25(日本円:約100円)です。※2024年1月現在の情報
2.公共バス
最寄駅から故宮博物院行きの公共バスは以下のとおりです。
所要時間は、どのルートも10〜15分ほど。
料金は、MRT士林駅から故宮博物院までの場合だとTWD15(日本円:約60円)です。※2024年1月現在の情報
3.タクシー
タクシーで故宮博物院へ行くこともできます。
台北駅から故宮博物院までの所要時間は30分。料金は約TWD280(日本円:1100円)が目安です。
故宮博物院から帰る際には、 本館地下1階のインフォメーションセンターでタクシーを呼んでもらえます。
博物院前で客待ちをしている車は、ぼったくりが多いので要注意です。
4.オープントップバス
オープントップバスは台北市の2階建て観光バスです。
台湾の主な観光地を周るオープンバスは、レッドラインとブルーラインの2本のルートに分かれており、40分ごとに運行しています。
故宮博物院へ行くのはブルールートです。
▼オープントップバスの台北駅出発運行時間と本数
- ブルーライン:9:00〜16:20(12本)
- レッドライン:9:10~22:00(23本)
バス内では、音声ガイド、無料のWi-Fi、USB充電コンセントが使用できます。台北市内を観光するのにおすすめのバスといえるでしょう。
オープントップバス乗車券は下記のとおりです。
※2023年11月情報
参考:国立故宮博物院:交通案内
参考:台北駅から故宮博物院への行き方。営業時間や料金割引などのお得情報
参考:乗り降り自由!台北市内 オープントップバス乗車券 故宮博物院チケット付きプランあり<日本語オーディオガイド付>
行く前にチェック!故宮博物院の入場料と開館時間
故宮博物院へ向かう前には必ず、入場料と開館時間を調べておきましょう。
せっかく訪れたのに入れずに終わったら悲しいですよね。
ここでは、入場料と開館時間を紹介します。
入場料
故宮博物院の入場料は下記のとおりです。
※2024年2月現在
参考:国立故宮博物院:チケット
開館時間
故宮博物院の主要展示物は、本館(第一展覧エリア)で鑑賞できます。
本館の開館時間は、火曜日〜日曜日の9:00〜17:00です。月曜日は休館になります。
2024年度は、休館日の月曜日が祝祭日または連休にあたる場合は平常通り開館するようです。
【2024年度の月曜開館日】
1/1、2/12、3/11、4/1、5/20、6/10、6/24、7/8、8/5、9/2、9/9、9/16、10/21、11/11、12/16
参考:国立故宮博物院:開館時間
鑑賞前の故宮博物院での注意点
故宮博物院に限ったことではありませんが、博物館では以下に注意して展示物を鑑賞しましょう。
- 館内に食べ物、液体、ペットボトルなどの持ち込みはしない
- 館内は写真と動画撮影は場所によるので注意する
- カメラや携帯電話のフラッシュ、撮影用照明機材、三脚、自撮り棒などの使用は禁止
- 撮影禁止の展示品には個別に注意書きがあり
- リュックサック、旅行カバン、スーツケースなどは手荷物一時預り所へ預ける
- 必要時に安全検査を行う場合もあり
- 団体の参観の場合は事前予約が必要になる
- 10人以上の団体は団体チケットを購入し、規定によりオーディオガイドシステム(親機と子機による音声ガイド)を使用
- 音声ガイド端末を身に付けないと入場不可
- 館内で騒いだりふざけたりしない
- 展示物に触れない
- 不潔な身なりで来ない
貴重な展示物を見る機会なので、マナーはしっかり守って楽しんでくださいね。
中国式庭園である故宮博物院の「至善園」とは?
至善園は、天下為公牌坊の門がある大門広場の東にある約7000坪の中国式庭園です。
中国の明・宋代の名園を再現した美しい園で、訪れる人を景色で楽しませてくれます。
洗筆池と龍池の周りに散策路があるので、松凰閣などの建築物も見ながら庭園を1周することが可能です。
至善園の入口は、展示エリア1階に続く階段の横と大門広場近くの正門の2カ所。
博物院の半券を提示をすれば無料で入園ができます。
至善園の開園時間は、火曜日〜日曜日は8:00〜17:00です。※月曜日は休館
おすすめ!故宮博物院館内にあるレストランとカフェ
故宮博物院の敷地内にはカフェやレストランが、3店舗あります。
軽食から故宮博物院をモチーフにした料理などが楽しめるので、目的に応じてお店を選ぶとよいでしょう。
故宮博物院でお土産は買える?
故宮博物院の本館で展示物を鑑賞した後は、館内にあるショップでお土産を買うことができます。
故宮博物院ならではのオリジナルグッズが数多くあります。
お土産を買える場所は以下の2ヶ所です。
- ミュージアムショップ:本館 B1
- 停雲(書店):本館 2F
故宮博物院出版の書籍やレプリカ、展示物をモチーフとした実用的な商品などを販売しています。
円滑なコミュニケーションはVoice pingがおすすめ!
出所:Voiceping
故宮博物院へ行くのは楽しみですよね。行く先が台湾なので、言葉の壁に不安になる人もいるのではないでしょうか。
海外旅行の便利なツールとして「Voice ping」がおすすめです。
Voice pingは、素早く正確に音声翻訳してくれるアプリ。
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歴史ある故宮博物院を楽しもう!
故宮博物院の見どころである代表的な展示物5つとアクセス方法や入場料・開館時間などの基本情報を紹介しました。
中国の歴史を伝える貴重な収蔵品は、約70万点という数の多さから、全てを見るのに8〜10年かかるといわれています。
2015年に嘉義県の分院(南部院区)がオープンしたので、本館(北部院区)と合わせて見に行きたいですね。
ぜひ本記事を参考に、故宮博物院を楽しんでください。