新型コロナウイルスの集団感染を防止するために、3密(密閉・密集・密接)回避が推奨されて、さまざまな企業がリモートワークを導入し始めています。総務省「令和3年版 情報通信白書」によると、56.4%の企業がリモートワークを導入している状況です。
現在も新型コロナウイルスの終息は見込めず、リモートワークが定着して、多様な働き方があると認知され始めてきています。このような背景を機会に、働き方を見直して働き方変革をしてみませんか?
今回は、ニューノーマル時代の働き方について解説します。
ニューノーマル時代の働き方の変化
まず、新型コロナウイルスの集団感染を防止するために3密(密閉・密集・密接)回避が推奨されて、どのように働き方が変化したかを比較してみましょう。
Before コロナ | AFTER コロナ | |
場所 | オフィス | 自宅、コワーキング、オフィス |
通勤 | 必要 | 不要 |
営業 | 訪問営業 | オンライン商談 |
人事 | 対面面接 | 対面面接 |
社内コミュニケーション | 対面 | メール、チャット、Web会議 |
衛生管理 | 不要 | 必要 |
ニューノーマル時代の働き方改革
ニューノーマル時代の働き方に切り替えるために、リモートワークを導入すると不憫に感じることもあるでしょう。
日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」にも、リモートワークに関する課題が記載されています。これらの課題は、工夫次第で解決できるため安心してください。ここでは、リモートワークの課題を解決する方法をご紹介します。
1.コミュニケーション不足
リモートワーク環境は、相手の状況が把握しにくく仲間とコミュニケーションが取りにくいです。また、相手と話すためにビデオ会議や電話をすると作業効率が落ちてしまいます。このような原因により、社員同士のコミュニケーションが業務の報告や連絡のみになってしまうのです。「相手の作業の邪魔になるのではないか?」という配慮がコミュニケーション不足を招きます。
解決策:仮想オフィスで仲間の状況を可視化
リモートワーク環境下のコミュニケーション不足の問題は、仮想オフィスを使用して仲間の状況を可視化すれば解決できます。
仮想オフィスに社員を出社させれば、出社メンバーのステータスが分かるようになります。ステータスには「声掛けOK」「取り込み中」「外出中」「会議中」「休憩中」が用意されているため、誰に声をかけて良いかが分かるようになるのです。
声掛けOKのメンバーの近くにアバターを移動させるだけで話せます。そのため、Web会議ツールを立ち上げる必要もありません。このような方法で、リモートワークのコミュニケーション不足の問題を解決できます。
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2.生産性の低下
リモートワークだと上司や同僚に仕事の相談がしにくくなります。その結果、社内ヘルプデスクに業務に関する質問が殺到してしまうのです。
社内ヘルプデスクに問い合わせが殺到してしまうと、ヘルプデスク担当者が1件1件回答していかなければいけないため、回答がもらえるまでに時間がかかります。そのため、業務に関する疑問の回答待ちをしなければいけず、各自の業務が停滞して生産性が落ちてしまいます。
解決策:AIチャットボットでヘルプデスク業務を効率化する
社内ヘルプデスクの業務過多の問題は、AIチャットボットで解決できます。
AIチャットボットとは、チャット画面上に質問を入力するとAIが回答してくれるシステムをいいます。このシステムを活用すれば、ヘルプデスク担当者の業務の負担が軽減できます。
ヘルプデスク担当者の場合は、1件1件に対応しなければいけません。その一方で、AIチャットボットであれば何十件も同時に対応できます。そのため、質問者を待たせることもなく、生産性の低下を防げます。
3.人事評価が難しい
リモート環境下は、各メンバーの勤怠態度や仕事プロセスが不透明になるため、人事評価が難しくなります。各自が離れた場所で仕事しているため、「仕事をする上での勤務態度に問題がないか」「取引先とも協力体制が築けているか」が把握できません。このような理由により、成果主義(ジョブ型雇用)に切り替える企業も増えてきました。しかし、従来とは異なる人事評価制度に合わない人材が退職してしまう恐れがあります。
解決策:マネジメントツールで勤務態度を可視化する
リモート環境下でも適切な人事評価をするために、マネジメントツールを使用して勤務状況のデータを取得しましょう。勤怠時間や勤務場所だけでなく、業務内容までログで取得しておけば、業務プロセスを可視化できます。
マネジメントツールの中には、在宅勤務者が着席中のみPC画面のログが取得できるものがあります。このようなツールを利用して、日頃の勤務態度を可視化すれば、適切な人事評価が行えます。
4.情報漏洩のリスク
リモートワークを導入する際に、脆弱説への対処が不十分な機器やシステムを使用していると、情報漏洩してしまう恐れがあります。
情報処理推進機構(IPA)が発表している「情報セキュリティ10大脅威」では「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」がランクインして話題となりました。セキュリティホールを狙った攻撃で情報漏洩した事例も紹介されているため注意する必要があります。
解決策:VPNや多要素認証で情報漏洩を防止する
リモートワーク環境下のセキュリティ対策を強化すれば情報漏洩しません。セキュリティ対策には以下のようなものがあります。
回線暗号化 | VPNを導入して回線暗号化すると、社内LANに近いレベルの安全な環境を確保できる |
多要素認証 | PCやスマホからサーバーへアクセスする場合に、2つの要素を組み合わせて認証する
|
仮想デスクトップ | デスクトップ環境を画面転送で呼び出す
不慮の事故でパソコンが故障してもデータ消失しない |
5.外部対応の支障
テレワークでは、お客様からの問い合わせ対応に支障が出る場合があります。お客様は会社の代表番号に電話をかけてきます。そのため、電話に出るために出社しなければいけません。もしくは、1人の担当者が電話担当を担うなど業務負担に偏りが出てしまいます。
さらに、お客様からの電話を引き継ぎたいときに、各自がリモートワークしていると転送できないという問題が発生します。
解決策:CTIで在宅コールセンターを作る
CTIを活用して在宅コールセンターを作れば、外部対応の支障は解決できます。
CTIとは、電話やFAXとコンピュータを連携するためのシステムをいいます。PBX(電話交換機)、CRM(顧客管理システム)、SFAツール(営業支援ツール)のシステムと電話を連携させられる製品です。
CTIを使用すれば、自宅のPCやスマートフォンを会社のオフィス電話として利用できるようになります。会社の代表番号に掛かってきた電話に出られたり、代表番号を使用して電話をかけられます。また、他の人に電話を転送することも可能です。
6.モチベーションの維持が低下する
仕事へのモチベーションは、業務内容を共有し合ったり、お互いに励まし合ったりすることで高まります。しかし、リモートワーク環境で働くと社員同士のコミュニケーション不足に陥り、相互に励まし合う機会が減ってしまいます。そのため、仕事に対するモチベーションが低下してしまうのです。社員のモチベーションは生産性に直結するため、低下させないように気をつけましょう。
解決策:ピアボーナス制度を設ける
ピアボーナス制度を設ければ、リモート環境下でも従業員のモチベーションを維持できます。ピアボーナス制度とは、従業員の成果や貢献を賞賛し合う文化を築くために、従業員同士が報酬を送り合う制度です。
ピアボーナス制度の報酬は、金銭または社内通貨等の金銭同等物であることが多いです。制度を導入して、仕事の成果を讃えたり感謝の気持ちを伝えたりすることで、従業員のモチベーションが維持できます。
7.労務管理が煩雑になる
リモートワークを導入すると働き方が多様化され、労務管理が煩雑になります。
オフィスに出社する人もいれば、在宅勤務者もいます。また、外出が多い職種の労務管理も難しいです。労務管理が煩雑になり、時間外労働をさせてしまうと働き方関連法に違反してしまうかもしれません。働き方関連法を違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられてしまうため注意してください。
解決策:勤怠管理システムを利用する
多様な働き方を取り入れて労務管理が煩雑になる問題は、勤怠管理システムを利用して業務効率化することで解決できます。
スマホやPCから打刻できる勤怠管理システムを導入すれば、オフィス、自宅、現場など場所を問わずに勤怠申請ができます。このような方法で、打刻ミスに関する不安がある方には、PCのログデータで勤怠時間を管理する方法がおすすめです。
8.労災認定が難しい
リモートワークを導入すると、在宅勤務者の労災認定が難しくなります。
在宅勤務の場合の労災認定も「業務遂行性との関係」「業務起因性との関係」を満たす必要があります。しかし、従業員の勤務態度が不透明だと労災を認定できません。このような状況を解消しないと、在宅勤務者は安心して働けないでしょう。
実際に労災の事故が発生したときに、この問題に気づく企業が多いため、対策をしておくことをおすすめします。
解決策:メンタルヘルスサーベイで健康状態を管理する
在宅勤務者の労災を認定するために、「業務遂行性との関係」「業務起因性との関係」を証明できる証拠を集めることが大切です。勤怠管理システムやマネジメントツールで根拠となるデータを取得しておきましょう。
メンタルヘルスサーベイを導入すれば、チャットの使用状況などから従業員の健康状況を把握して、メンタル不調になる前に早期にフォローすることも大切です。
[近未来を予測]ニューノーマル時代の働き方改革
ニューノーマル時代の働き方改革をご紹介しましたが、デジタル技術の発達により、近未来には快適な働き方が訪れます。将来的に、どのような働き方を実現できるのかも確認しておきましょう。
遠隔で展示品に触れられるようになる
テレイグジスタンス技術が普及すれば、遠隔で展示会に参加できるようになります。
テレイグジスタンス技術とは、遠隔地にある物が近くにあるかのように感じられる技術を指します。遠隔地のロボットを操縦すれば、視覚、聴覚、触覚の体験が可能です。
2020年7月には、ロボットと操縦者の伝送スピード50ミリ秒の実現に成功しており、身体的直感に即した操作が可能になりました。近い将来には、ゴーグルやグローブを所有している企業同士が、遠隔で商品案内する時代が訪れることでしょう。
リアルと仮想オフィスが融合する
デジタルツインの技術を活用すれば、リアルオフィスの情報をセンサーで測定して、仮想オフィスに反映させられます。つまり、リアルオフィスに出社している社員の位置情報を座標レベルで取得しアバター表示させられます。社員の位置情報だけでなく、オフィスの照明や空調、食堂やトイレの空き状況までバーチャルオフィスに反映させられることが大きな特徴。
つまり、在宅勤務者には仮想オフィスに出社をしてもらえば消灯時間であることを知らせられ、オンオフのメリハリが付けられるようになります。
言語の壁を超えて人々が働ける環境が整う
音声解析技術と翻訳技術を仮想オフィスと組み合わせることで、言語が通じない者同士でも働ける環境が実現できます。Web会議の画面上に相手の言葉を字幕表示させることで、意思疎通を図ります。仮想オフィスでは共同ワークも行えるため、言語が通じない相手に業務指導も捗ることでしょう。
文字起こしや翻訳精度など高める必要性はありますが、VoicePingのサービスを利用すれば、これらを体験できます。ぜひ、ご興味がある方は「VoicePing」を体験してみてください。
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まとめ
ニューノーマル時代の働き方でリモートワークを導入したら、さまざまな課題が出てきます。しかし、各課題はデジタル技術を駆使すれば解決できます。さらに、最先端技術を活用すれば、リアルオフィスより効率的な働き方が実現できるため、常にチェックをしておくことが大切です。
今回は、どのようにニューノーマル時代の働き方改革を推進していくべきかを解説しました。ぜひ、これを機会に働き方を見直してみてください。
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