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ハイブリッドワークの生産性を上げる運営方法とは?最新ツールを紹介

ハイブリッドワークとは、オフィスワークとテレワークを掛け合わせた新しいワークスタイルです。

オフィスワークの対面性、テレワークの利便性どちらのメリットも受けられます。

しかし、ハイブリッドワークだからこその新たな課題も出てきます。

この記事では、ハイブリッドワークを失敗しないために必要な情報をまとめました。

  • 事例・導入企業
  • メリット・デメリット
  • 導入の注意点
  • 失敗しないための具体的方法・ツール

ハイブリッドワークを成功させて、社員の満足度も会社の成績も向上させましょう。

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークとは、「オフィスワークとテレワークを組み合わせたワークスタイル」のこと。

砕けた言い方をすれば、「出社してもいいし、出社せずに好きなところで働いてもいいよ。選ぶのは社員あなた自身。」ということです。

しかし実際は、

  • 全員出社義務のある日が設けられている
  • 最低出勤回数が定められている

など制約を設けている企業もあります。

実際、AppleやGoogleは週3日の出社を社員に求めています。

また、テレワークは在宅勤務とは限らず、サテライトオフィスやコワーキングスペースなど会社以外の場所で働くことを指します。

  • 一人で集中して作業したい場合にはテレワーク
  • メンバーとの密なコミュニケーションが必要な場合には出社

というように選択の自由があるのが「ハイブリッドワーク」というわけです。

ハイブリッドワークが導入される背景

ハイブリッドワークは、オフィスワークとテレワーク両方のメリットを受けられ、社員のエンゲージメント向上に繋がるため、今多くの企業から折衷案として選ばれている勤務体制です。日本の場合はオフィスワークにテレワークを導入する場合が多いため、オフィスワークの課題が顕在化してきたタイミングでハイブリッドワークを導入する流れが多くなります。

総務省の「令和3年版 情報通信白書|テレワークの実施状況」によると、日本のテレワーク普及率は38.4%。

つまり、61.6%の企業はオフィスワークのみということです。

しかし、このデータには「飲食業」や「宿泊業」のようなテレワークの実施が難しい企業のデータも含まれています。

テレワークを実施したいのに実施できてない企業の割合は、データの数値よりも高いことが考えられます。

オフィスワークとテレワークのメリット・デメリットを深掘りして、なぜハイブリッドワークを導入するに至るか詳しく解説します。

オフィスワークのメリット・デメリット

 

オフィスワーク

メリット

デメリット

気軽に相談できる

通勤ストレスの増加

人がいる環境で集中できる

採用の幅が限定される

 

人間関係のストレス

オフィスワークの大きなメリットは「対面のコミュニケーション」です。

実際、株式会社あしたのチームが実施した調査によると、20代がテレワークをやめたいと思った理由の2位で「気軽に相談がしにくいから」が35.5%と、オフィスワークをしなくなってから対面コミュニケーションのしやすさに気づいているようです。

また、周りに人がいるオフィスワークの方が仕事に集中できるという人が一定数います。

東晶貿易株式会社の調査では、出社勤務を希望する理由の1位が「家だと集中できない」(43.7)でした。

また、オフィスワークにはデメリットもあります。

株式会社あしたのチームが実施した調査では、一般社員の内、テレワークの方が「人間関係のストレスがなく気楽」と答えた人が36.7%と最も多く、オフィスワークで人間関係にストレスを感じていたことがうかがえます。

さらに、東晶貿易株式会社の調査によると、「通勤時間を省けるから」という理由で在宅勤務を希望する人が73.3%と最も多く、オフィスワークでの通勤の負担も大きなデメリットといえます。

テレワークのメリット・デメリット

 

テレワーク

メリット

デメリット

通勤時間と負担の減少

コミュニケーション不足

生産性アップ

不安感や孤独感の増加

労働時間の減少

オンオフの切り替えが困難

採用の幅が拡大

人事評価が困難

オフィスコスト削減

働きすぎ・働かなさすぎ問題

国土交通省の「令和3年度 テレワーク人口実態調査」から、テレワークにより生産性が上がること・通勤によるネガティブな影響が減少することがわかります。

 

生産性アップ(テレワークにより労働時間が減ったのは約30%)

  • 業務効率向上要因1位:「問い合わせ、雑用、会議等が減り、業務に集中することができたから」(約52%)

  • 業務効率向上要因2位:「早く仕事を終わらせる意識が高まったから」(約38%)

 

通勤時間と負担の減少

  • テレワークを続けたい人の理由1位:「通勤時間の有効活用」(約43%)

  • テレワークを続けたい人の理由2位:「通勤の負担軽減」(約30%)

一方、テレワークのデメリットについてもデータで示されています。

パーソル総合研究所の「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」では、テレワーク勤務時に孤独感を感じている人は28.8%という結果が得られ、テレワーカーの心理的負担が問題視されています。

また、多くの企業がテレワークの人事評価制度に課題を抱えています。

その主な要因は以下の3つです。(参考:株式会社あしたのチーム「コロナ禍のテレワークと人事の課題に関する調査」

  • 「勤務態度が見えないから」(62.1%)
  • 「成果につながる行動(アクション数、内容等)を細かく把握しづらいから」(58.6%)
  • 「勤務時間を正確に把握しづらいから」(41.4%)

業務状況の視覚化は、テレワークの大きな問題の1つです。

 

ハイブリッドワークは、上記で説明したオフィスワークとテレワーク両方のメリットを受けつつ、デメリットを低減できる働き方です。

本当にハイブリッドワークに効果があるのか、4社の事例を基に説明します。

ハイブリッドワーク導入企業4社の事例

hybrid_4companies

ハイブリッドワークを実際に導入している4つの企業を紹介します。

  • マイクロソフト
  • 富士通
  • Google
  • ベネッセ

企業が公開している「ハイブリッドワークの効果を示した具体的なデータ」を元に解説していきます。

「オフィスワークからハイブリッドワークへ移行」のパターンと「テレワークからハイブリッドワークへ移行」パターンともに紹介します。

マイクロソフト

マイクロソフトは自社でハイブリッドワークを導入し、そのデータを公表しています。

データの結論だけまとめます。

  • COVID対応による急激なテレワーク移行は組織のエンゲージメントを低下させる
  • 今はハイブリッドワークで働きたいと思っている社員の割合が一番多い
Microsoft2

急激なテレワークはコミュニケーションが減るだけでなく、業務量も下がったというデータが出ています。

「テレワークは生産性が上がる」と言われがちですが、「急激な」テレワーク移行は逆に生産性を落としてしまうという結果に。

しかし現在は、テレワーク移行を経験して社員の約3人に2人がハイブリッドワークで働きたいと答えています。

テレワークの良さに気がつくまでに時間がかかりますし、また社内制度構築やテレワークでの業務に慣れるまでにも時間を要します。

マイクロソフトの事例から学べるのは、「急激なテレワーク移行には代償が伴うが成功すればハイブリッドワークで働きたいと思ってもらえる」ということです。

富士通

fujitsu

出所:FUJITSU

富士通はハイブリッドワーク導入の結果、

  • テレワーク率:80%
  • コアタイムなしのフレックス勤務制度活用度:93%
  • 単身赴任解消など遠隔勤務の活用:約1,700名
  • 通勤時間が月30時間減少(1人あたり平均)
  • 社外サテライトオフィスの利用:約9,000名/月

を実現しています。(参考:富士通の変革実践

コンセプトは「Work Life Shift」で、仕事と生活をトータルにシフトしWell-Beingを実現するとのことです。

働くことだけでなく生活も見直し、イノベーションを創出し続ける状態をつくることを狙いにしています。

富士通の具体的な取り組みは3つです。

  • ボーダーレスオフィス:働く環境を自由に選択
  • スマートワーキング:場所や時間にとらわれない働き方
  • カルチャーチェンジ:新しい働き方定着のための組織改革

2020年7月からハイブリッドワークの定着に動き出し、2021年10月からは「Work Life Shift 2.0」と称して新施策をスタートさせています。

Google

出所:Google

Googleは、オフィスワークにテレワークを導入した事例ではなく、テレワークをオフィスワークに戻す事例として紹介します。

CNBC(アメリカの報道局)の2022年3月2日の報道によると、Googleは2022年4月から週3日の出社を求めていたとのこと。

GoogleはCOVID対応のためテレワークを導入していましたが、状況が緩和したためハイブリッドワークへの移行を始めたということです。

しかし、社員からはテレワーク継続の声も多く、希望のうち85%はフルリモートワークが認められています。

なぜ最新のIT企業がオフィスワークの割合を増やそうとするのでしょうか?

GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイはインタビューで次のように語っていました。(原文はCNBCをご確認ください)

「困難な問題を解決し、なにか新しいものを生み出す時、直接会って、一緒にいて、コミュニティの感覚を持つことがとても重要であると強く信じているので、それが変わることはない。だが、柔軟性とハイブリッドモデルをさらに作成する必要があると考えている。」

人と直接会うことの効果があるとわかっているからこそ、テレワークよりもオフィスワークの割合を増やそうとしているわけです。

ベネッセ

2009年から在宅勤務制度を導入している株式会社ベネッセコーポレーションは、ハイブリッドワークを強化するために2020年10月以降、次の3つの施策などを実施しています。(参考:ベネッセコーポレーション、出社・在宅の「ハイブリッド勤務」環境を推進

 

  

従来

施策

背景

2020年10月

勤怠共有ツール導入

独自の勤怠共有ツール導入

  • 勤務場所

  • 勤務時間

  • 体調

  • 出社予定 など

ハイブリッドワークにおける社員の生産性支援

通勤手当の改訂

6ヶ月定期代支給

出社日に応じた交通費の支給

出社率が50%以下になったため

2021年5月

オフィスリニューアル

固定席

フリーアドレス化

新たな働き方にふさわしいオフィスづくり

施策の結果、ベネッセの2021年度の在宅勤務制度の利用率は75%となりました。

制度があっても利用する人がいなければ意味がありませんが、「テレワークしたい」というニーズに応えられる環境が整っていれば、利用率も高くなることがわかります。

ハイブリッドワークのメリット

ハイブリッドワークのメリットは4つあります。

  • 生産性の向上
  • 従業員のエンゲージメントが向上し、離職率ダウン
  • 採用の幅の拡大|海外までアプローチ可能
  • オフィスコスト削減やスペースの有効活用

1つずつ解説します。

生産性の向上

「ハイブリッドワークでは生産性が高まる」というデータが出ています。

HSMアドバイザリーと富士通による共同調査によると、85%の人がハイブリッドワークの方が生産性が高まると回答していました。

ハイブリッドワークは、オフィスワークとテレワークを自由に選ぶことが可能です。

一人で集中したい作業がある場合には在宅で、メンバーと密なコミュニケーションを取りながらの業務であればオフィスワークなどその日の業務によって選択の自由があります。

人の目があった方が集中できる人もいれば、一人の空間が合っている人もいます。

ハイブリッドワークは生産性を向上させる手段の1つというわけです。

従業員のエンゲージメントが向上し、離職率ダウン

ハイブリッドワークは社員のエンゲージメントを向上させ、結果として離職率ダウンにつながります。

スタンフォード大学のニコラス・ブルーム教授ら3人の論文によると、ハイブリッドワークにより

  • 離職率が35%ダウン
  • 仕事の満足度向上
  • 勤務評価や昇進への悪影響なし
  • 在宅勤務時の勤務時間が約80分減少
  • 出社日と週末は勤務時間約30分増加
  • エンジニアのソースコードの行数が8%増加

という結果が得られたとのこと。

ハイブリッドワークはオフィスワークとテレワークどちらもしなさいと強制するものではありません。

社員に選択の自由が与えられることで、社員のエンゲージメントが向上し離職率が下がるというわけです。

逆に言えば、ハイブリッドワークではなくオフィスワークとテレワークどちらかだけであれば、離職率は上がることが考えられます。

しかし、急激な導入や社内制度が確立されないままの導入はネガティブな結果をもたらし得るため、導入の際は注意する必要があります。

採用の幅の拡大|海外までアプローチ可能

ハイブリッドワークはオフィスワークのみを採用している企業に比べて、アプローチできる人材が何十倍にもなります。

居住地に関係なく採用ができるため、北海道から沖縄の人まで日本全国どこでも大丈夫です。

また、言語の壁という障壁を越えられれば、全世界の人を採用対象に入れられます。

例えば、ITエンジニアの場合、日本のエンジニア数は122万人ですが全世界のエンジニアは約2,137万人です。(参考:ヒューマンリソシア「2021版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.4」

日本の約17.5倍のエンジニアにアプローチできると考えると、オフィスワークにテレワークを導入してハイブリッド化することには大きなメリットがあるといえます。

オフィスコスト削減やスペースの有効活用

ハイブリッドワークでは出社人数が減るため、オフィスコストを削減、または空いたスペースの有効活用ができます。

もし、オフィスが今の半分の大きさでいいなら単純に毎月の賃料は半額です。

しかし、全員出社日を設けることを考えているならば、オフィスを半分にはできません。

その際には余ったスペースを有効活用して、オフィスワークの生産性を上げる方向へ舵を切るというのが選択肢の1つです。

例えば、

  • 雑談が生まれるようなカフェスペース
  • 仕切りのある集中スペース

などを作ることで、固定席で仕事をすることにとらわれないオフィスにできます。

ハイブリッドワークのデメリット・課題

hybridwork_demerit

ハイブリッドワークのデメリットは6つあります。

  • コミュニケーション不足による不安感・孤独感の増加
  • 勤怠管理・業務状況の管理が困難
  • 緊急の業務が滞る可能性あり
  • 人事評価制度に限界がある
  • セキュリティ面のリスク
  • 運用コストがかかる

ハイブリッドワークと聞くと、オフィスワークとテレワークの良いとこ取りをした画期的な働き方に見えますが、デメリットも数多くあります。

ハイブリッドワークを失敗しないために、今のうちからデメリットを理解して対策を考えておきましょう。

コミュニケーション不足による不安感・孤独感の増加

ハイブリッドワークでは、オフィスワーカーとテレワーカーとでどうしてもコミュニケーション量に差が生じてしまいます。

オフィスワークの頻度が高い人同士はコミュニケーション量が増え、テレワークを好む人は自然とコミュニケーション量が減ってしまいます。

特に考慮すべきはテレワーカーの方で、不安感や孤独感を強く感じることで離職に繋がる可能性があります。

実際、パーソル総合研究所が2020年6月に発表したデータによると、以下の通りです。

  • テレワーカーの28.8%が孤独感を感じている
  • テレワークの頻度が高まるほど孤独感は強くなる
  • 孤独感と不安感は転職意向を高める
  • メンバーの2~3割しかテレワークをしていない職場は不安感・孤独感が醸成されやすい
  • テレワーク実施率が6割以上の職場と比べ、2~3割の職場では不安感の大きさは1.2倍

テレワークが不安感・孤独感を強め、テレワーカーが少数派だとその影響がさらに大きくなるとのこと。

ハイブリッドワークの導入では、テレワーカーの心理的負荷に注意を払う必要があるということです。

勤怠管理・業務状況の管理が困難

ハイブリッドワークでは、勤怠管理・業務状況の管理が困難です。

特にテレワーカーの働きすぎ・働かなさすぎ問題には注意を払わなければなりません。

実際、HSMアドバイザリーと富士通による共同調査によると、53%の人がハイブリッドワークで生産性は高まっているものの、より長時間働いていると答えています。

半数以上の人が働きすぎの状態に片足を突っ込んでいるということです。

また、業務状況の管理にも頭を悩ませることでしょう。

いちいちチャットで進捗報告させるのも気が引けるでしょうし、かといって自由にさせ過ぎるのもいけません。

ハイブリッドワークの導入の前に勤怠管理・業務状況管理ツールを用意しておかないと、対策が後手後手に回ってしまいます。

緊急の業務が滞る可能性あり

ハイブリッドワークでは、緊急業務へスムーズに対応できない可能性があります。

なぜなら、重要人物がテレワークでオフィスにいなければコミュニケーションが円滑にとれないからです。

クライアント業務でトラブルがあった際、対面でのスピーディなコミュニケーションがとれればスムーズに対応できません。

しかし、テレワークを導入したばかりで慣れていないと、普段の倍以上の時間がかかる可能性があるわけです。

また、地震や火災などの災害が起こった場合にも対応がまとまっていないと混乱を招いてしまいます。

社員それぞれの働く場所がそれぞれ異なるため、オフィスワークのみの対策のままではいけません。

人事評価制度に限界がある

ハイブリッドワークでは、オフィスワークとテレワークという2つの働き方があるため、同じ人事評価制度を2つに併用することは困難です。

例えば、以下のようなことが考えられます。

  1. 出社する人に仕事を依頼することが増える
  2. テレワーカーの業務量が相対的に減少
  3. オフィスワーカーの評価だけ上がり、テレワーカーは評価制度に不満を持つ
  4. テレワークをする人が減少
  5. ハイブリッドワーク失敗

無意識の領域で起こってしまうため、誰も悪いことをしていないのに不満を持つ人が現れる可能性があるのです。

ハイブリッドワークは評価制度を都度見直しながら、運用していく必要があります。

実際、株式会社あしたのチームが2021年5月に発表した調査によると、人事評価制度の見直しをすべきと考える人が82.9%いるのに対し、実際に改訂が行われた企業は14.4%とかなりのギャップがあることがわかります。

評価制度は公平性を保つことが重要ですが、そもそもテレワーカーの業務状況を把握する手段から考えなくてはいけません。

セキュリティ面のリスク

ハイブリッドワークではセキュリティ面のリスクがつきまといます。

なぜなら社外で働く人が増えるためです。

具体的には、

  • フリーWi-Fiの使用によるウイルス感染
  • シェアオフィスやコワーキングスペースでの情報漏洩
  • パソコンの紛失・盗難

などの危険性があります。

何年もオフィスワーカーとして働き、セキュリティに関して何も意識していなかった社員がいきなりテレワークになるわけですから、セキュリティリテラシーを高めないと重大問題につながります。

また、社員のセキュリティ管理に重大な問題が見つかった場合の対応も考慮する必要があります。

運用コストがかかる

オフィスワークのみの形態からハイブリッドワークに移行するとなると、Webミーティングの機会も増えるでしょうし、社内をハイブリッドワークに最適化するためにリフォームやリニューアルする企業もあることでしょう。

ZoomなどのWebミーティングは無料でも使用できますが、時間制限やストレージのことを考えると有料プランにする必要も出てきます。

さらに、勤怠管理や業務状況管理のITツールを新たに導入する場合はいっそうコストがかかることに。

また、テレワーカーが増え出社人数が減るからといって、すぐにオフィスを小さいところに移転できる企業は限られています。

オフィスを小さくしたとしても、日々変わる出社率に対応できなければなりません。

ハイブリッドワークを最適化するには、前述のベネッセのようにオフィスリニューアルも手段の1つとなります。

しかし、オフィス移転やリニューアルには莫大なコストがかかってしまいます。

ハイブリッドワーク導入の注意点

ハイブリッドワーク導入時の注意点は3つあります。

  • BCP対策
  • 交通費の計算
  • テレワーク社員の通信環境やパソコン環境の整備

ハイブリッドワークを導入する前に知っておきたいポイントをまとめました。

順に解説します。

BCP対策(地震などの緊急事態への対応まとめ)

ハイブリッドワーク導入の前にBCP対策(事業継続計画)をまとめておくことが重要です。

BCP対策とは、地震やパンデミックなどの緊急事態時に事業を継続するために事前に計画を立てておくこと。

そもそもハイブリッドワーク自体をBCP対策として導入する企業もあります。

ハイブリッドワークにおけるBCP対策として特に重要なのは、情報漏洩やセキュリティトラブルへの対策です。

情報漏洩時の対策を事前に決めておくことで、いざ社員がトラブルを起こしてしまったときでも焦らずに対応できます。

交通費の計算

ハイブリッドワークでは、交通費の計算が複雑になります。

出社する人数が一定ではありませんし、出社する人でも月によって出社日数が異なり、一律支給だと不満が出る可能性が。

公平性を保つためのベストは、社員の出社日数に応じて交通費を計算して支給することです。

しかし、出社人数が多い内は交通費計算に工数がかかってしまいます。

交通費を自動計算してくれるツールを提供するサービスもありますので、調べてみてください。

テレワーク社員の通信環境やパソコン機器の整備

ハイブリッドワークでは、テレワーク社員の通信環境とパソコン機器を気にかけなければ業務が滞ることになります。

例えば、Web面接を行うことが多い人事部であれば、Webミーティングツールを多用するため、高品質な通信環境が必要です。

また、動画編集やデザインをメインにしているのであれば、最適なパソコンやタブレット機器を用意する必要が出てきます。

オフィスワークで使用していたものをそのまま使用できれば問題ありませんが、新たな機器を揃えるコストがかかる可能性もあるわけです。

ハイブリッドワークのデメリットを解消する方法

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ハイブリッドワークのデメリットを解消する方法を4つ紹介します。

  • 仮想オフィスツールで4つの課題を解決
  • 人事評価制度の見直し
  • セキュリティ教育
  • フリーアドレス

ハイブリッドワークは誰も失敗したくありませんし、最高の結果を望んでいるはずです。

成功に必要なツールや施策を具体的に解説します。

仮想オフィスツールで4つの課題を解決

仮想オフィスツールの導入で、ハイブリッドワークの4つの課題が解決できます。

  • コミュニケーション増加により不安感・孤独感の減少
  • 勤怠管理・業務状況の把握ができる
  • 緊急の業務でもオフィスと同じようなスムーズなやり取りが可能
  • 運用コストは月2万円台/50人

仮想オフィスツールとは、インターネット上の擬似的なオフィスを提供するツールのこと。

仮想オフィスの空間に社員はアバターとして表示されるため、離れた場所で働いていても近くにいる感覚が味わえます。

そのため、気軽な雑談が生まれやすく不安感や孤独感の解消にも貢献。

緊急の業務でもリアルオフィスと同じようなコミュニケーションが取れます。

また、仮想オフィスにログインした時間やログアウトした時間が表示されるツールもあるため、勤怠管理ツールとしての役割も果たせます。

運用コストに関しても50人で月2万円台や1ユーザー月500円など、コスト削減に貢献してくれる価格設定です。

人事評価制度の見直し

ハイブリッドワークを失敗しないためには、人事評価制度をオフィスワーカーとテレワーカーで差が出ないものにする必要があります。

なぜなら、不公平感を感じさせると、評価が高くなる働き方へ社員が流れてしまいハイブリッドワークの意味をなさなくなるためです。

具体的には

  • テレワーカーの見えない業務を視覚化する
  • テレワーカーのみ成果重視にならないようにする
  • 勤怠記録を徹底管理

などが考えられます。

そもそも人事評価制度どうこうの前にオフィスワーカーとテレワーカーの業務量に差が出てはいけません。

オフィスにいた方が仕事が降ってきやすいという状況ができないように、評価制度を先に整備することが吉です。

セキュリティ教育

ハイブリッドワークでトラブルを起こさないためには、事前のセキュリティ教育が必要です。

なぜなら、前もってセキュリティ教育をしていればセキュリティトラブルを事前に防げるからです。

セキュリティに関して知識がなければ、総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」を参考にしてみてください。

具体的には、以下のようなものがまとめられています。

セキュリティ対策の研修サービスを提供している企業もありますので、自社で完結させるのか、工数を減らすために社外へ依頼するのか吟味してみてください。

フリーアドレスの導入(固定席の廃止)

ハイブリッドワークではテレワークの対策ばかりを打ちがちですが、オフィスワークの最適化も視野に入れれば成功が近づきます。

なぜなら、テレワークとオフィスワークどちらの生産性も上げられれば、会社の成績アップにつながるからです。

オフィスワークの最適化に「フリーアドレスの導入」が挙げられます。

フリーアドレス化とは、固定席や専用デスクをなくし社内の好きな場所で働けるようにすることです。

freeaddress

フリーアドレスの導入は、部署ごとに始め、徐々に全社へ広げていくという方法があります。

フリーアドレスの利点は、部署を越えたコミュニケーションができることや業務に応じた最適なスペースを用意できることです。

また、出社人数が減った分のスペースに集中ルームやリフレッシュ空間を作成することで有効活用できます。

ハイブリッドワークでのコミュニケーションを円滑にする仮想オフィスツール3選

ハイブリッドワークの成功を手助けし、ネガティブな影響を排除してくれる仮想オフィスツールを3つ紹介します。

  • VoicePing
  • mycrew
  • oVice

離れていても近くで話しているようなコミュニケーションが取れる仮想オフィスを使えば、ハイブリッドワークのデメリット解消に貢献してくれます。

3つのツールは特徴が異なるため、1つずつ詳しく解説します。

声かけ・勤怠管理・議事録自動作成「All in One」型仮想オフィスの VoicePing

vp

 

VoicePing

プラン

無料

スモール

プレミアム

エンタープライズ

月額(税込)

0円

8,250円

22,000円

1人550円

初期費用

0円

登録可能人数

5人

15人

50人

無制限

無料トライアル期間

永久無料

2週間

特徴

  • リアルタイム音声翻訳機能(41ヵ国語対応)

  • オンラインログによる勤怠管理が可能

  • 作業ログによる生産性向上

VoicePing(ボイスピング)は、リアルタイム音声翻訳機能を搭載した唯一の仮想オフィスツールです。

グローバル人材が多い会社やグローバル人材まで採用の幅を広げていきたい企業にとっては最大限の効果を発揮します。

また、ハイブリッドワークで課題となる勤怠管理・業務状況の管理に関してもVoicePingを使えば解決可能です。

仮想オフィスへの合計ログイン時間を記録した週次レポートを個人ごとに見られるため、社員の働きすぎ・働かなさすぎ問題にも注意を払えます。

また、作業タイマーが搭載され、個人が入力した業務にどれだけの時間を使っているかの細かな確認も可能です。

無料トライアル期間を2週間設けているため、各種機能をご自身の目で確かめてみてください。

シンプルなUIが特徴のmycrew

 

mycrew

プラン

スタートプラン

プラスプラン

月額(税込)

1ユーザーあたり550円

要問い合わせ

利用可能人数

制限なし(最低利用人数あり)

初期費用

0円

無料トライアル期間

2週間(50人以下)

特徴

  • シンプルなUI

  • フロア全体への連絡ができる

mycrew(マイクルー)は非常にシンプルなUIのため、使いやすさを求める企業に一押しの仮想オフィスツールです。

直感的な操作ができるため、ITツールに不慣れな社員が多い企業でも安心して使用できます。

mycrewでは利用中のアプリが表示されるため、「Web会議しているから話しかけるのはやめておこう」というように実際のオフィスのようにコミュニケーションを取ることが可能です。

また、フロア全体の人が見られる「フロアボード」を使用することで、緊急時でもオフィスワーカー・テレワーカー関係なく全員に通知が届きます。

200以上のレイアウトが可能なoVice

ovice

 

oVice

プラン

Basic

Standard

Organization

月額(税込)

5,500円

22,000円

55,000円

推奨人数

10人

40人

160人

最大接続人数

50人

200人

500人

初期費用

0円

無料トライアル期間

14日間

特徴

  • 月5,500円の追加オプションで活用状況の可視化

  • 200以上の仮想空間プリセットあり

  • オフィス利用だけでなくイベント単発利用も可

oVice(オヴィス)は、仮想オフィスのデザインにこだわりたい企業にうってつけのツールです。

200個以上のデザインが用意されているため、本物のオフィスに近づけたり、遊び心のあるオフィスにしたりなど柔軟にカスタマイズできます。

ハイブリッドワークで役立つ機能としては、「データダッシュボード(1スペースにつき月額5,500円の追加オプション)」があります。(データダッシュボードを利用しなくても入退室の履歴は確認可能)

データダッシュボードでは、

  • 社員の平均oVice滞在時間
  • 会議室を使用した回数(ユーザーごと)
  • 会議室使用時間(ユーザーごと)

など、テレワークで見えなくなりがちな部分を数字にしてチェック可能です。

ハイブリッドワークをうまく活用できれば会社も社員もWin-Winに!

ハイブリッドワークとは、オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方です。

オフィスワークの対面性とテレワークの利便性どちらのメリットも享受できます。

しかし同時に、オフィスワーカーとテレワーカーのコミュニケーション量に差が生まれてしまったり、勤怠管理が困難になるなど課題も多々あります。

仮想オフィスツールを使えば、最低限のコストで気軽なコミュニケーションが取れる場を用意できる上に、業務状況の管理機能も兼ね備えるなどハイブリッドワークにもってこいのツールといえます。

仮想オフィスツールには初期費用がかからず、さらに無料トライアル期間を設けているものもあるため、十分に機能を確かめてからハイブリッドワークで本当に活かせるのか検討してみてください。