VoicePing社が、サンフランシスコで行われたJETRO主催のAlchemistによるスタートアッププログラムに参加しました

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こんにちは、VoicePingでデベロッパーをしている次郎丸です。

 

先日、JETROが支援するアルケミスト・アクセラレーター・プログラムに参加してきました。 東京で3日間の対面キックオフとその後に約1週間のサンフランシスコでの対面ワークショップに参加してきました!(プログラムについてはこちらl)

サンフランシスコにはこのプログラムと他のイベント参加等含めて約2週間滞在したので、プログラムの内容とサンフランシスコでの経験について記事にします。

 

まず簡単にですが私の自己紹介からになります。自分のような経歴でスタートアップにおり、かつ海外のスタートアップのアクセラに参加する人は少ないと思うので、少しでも参考になれば嬉しいです。

 

私は2022年の3月に慶應義塾大学の法学部を卒業しました。元々ド文系でしたが何にでも手を出すタイプで、学生時代はエンジニアからマーケティング、営業、人事まで様々なことをやっていました。卒業後は楽天に入社しましたが、あまり合わず3ヶ月半程度で退職し、2022年の8月からVoicePingで働いています。学生時代の経験からプロダクトを制作したり育てることが好きで、エンジニアかマーケターで働ければと思っていたところでVoicePingを見つけ、面接を通してエンジニアで就職しました、その後マーケティングの業務にもたまに従事しています。英語に関しては別段海外留学の経験等はなく、上手くもないですが、今回のアクセラが通ったことが社内で告知された時に参加をお願いしました。なお弊社は普段のミーティングやチャットのやりとりも全て英語です。ただ今回のプログラムに備え、YoutubeのdictationやDMM英会話での学習により力を入れて臨みました。

 

プログラムの内容としてはマーケティングに関する知識を全般的に学びつつも、主にサンフランシスコのマーケットに入るにはどのようにアプローチしていけばいいのか、という点に重点を置いた内容でした。

私は先ほども書いた通り、マーケティング・セールスの業務も時々アサインされていますし、私自身にとっても非常に興味がある内容でしたので身になったプログラムでした。

東京での対面キックオフ

全体としては、スタートアップが早いフェーズで急成長するためにはどのようにアプローチすればいいのか、実践的なスキルに焦点を当てていました。以前弊社代表の中島とCOOのJackが参加した、同じように世界的に有名なスタートアップアクセラである500 Global(ファイブハンドレット グローバル)の集中的なグローバルワークショップはどちらかというとマインドや考え方に依っていたので、少し違う内容です。

具体的には、どのようにマーケットの中で顧客を見つけるのか、認識→興味→検討→購入というファネルに乗せればいいのか、各フェーズの顧客を引き上げるにはどうすればいいのかといった点です。PLG(product led growth)で顧客獲得を狙う私たちにとっては特に勉強になる内容が多かったのでいくつか紹介します。

 

まずは顧客獲得(Customer Discovery)について。自分もゼロから顧客を獲得するプロセスについてはまだ経験がなくそもそも認識も薄かったのですが、Customer Discoveryと言ってスタートアップにとっては非常に大事なプロセスです。USマーケットにはそもそも自分の知り合いはいませんから、なんとかしてターゲットの市場の中にいる人間を見つけ、顧客獲得に繋げるかヒアリングする必要があります。この時の手法としてセミナーのスピーカーを当たったり、SNSで話しかけたり等様々ありますが、LinkedInが非常に効果的です。実際、弊社代表の中島は、LinkedIn経由でインドの億万長者にヒアリングをすることができたようです。また、一度インタビューできたら同じ市場の中にいる人、市場に詳しい人を紹介してもらうことが最も重要です。

 

2つ目に、顧客のセグメントを絞るということが重要です。私たちは大企業とは違って無限に予算があるわけでは無いので、大企業と同じフィールドで戦うのは得策ではありません。顧客のセグメントを狭めてペルソナを明確にし、そのセグメントである程度(50%以上)のシェアをとることを目指してみましょう。

 

最後に、顧客はプロダクトそのものには(残念ながら…😢)興味がないということです。顧客が求めているのは、そのプロダクトがもたらす価値であり、プロダクトを提供する私たちは、その価値を顧客に示さなければなりません。そして、プロダクトの価値は大抵の場合、①時間の節約②お金の節約③社会的・物理的な利便性④感情的な利便性・満足感の4つに分類できます。ファネルの各フェーズで適切に価値を示すことで、ファネル内のカスタマーはフェーズを移動します。そして、その価値を実証できれば、適切な導入事例を作ることができ、さらなる新規顧客獲得に役立ちます。

プログラム最終日、UCバークレーでのプログラムの様子
UCバークレーのキャンパスツアーもありました!写真はアメフトのフィールドです。自分の場合、バスケで好きな選手の出身校なのもあって楽しかったです

次にサンフランシスコでの滞在について話します!

私自身、US本土に行ったのはこれが初めてで、信号機の見方(押しボタン式がとても多かった、体感8割)から電車の乗り方まで(自分が乗った路線は改札無くて券売機だけでした)非常に新鮮な体験でした。物価は最近言われている通りめちゃくちゃ高くて、ちゃんとした食事を摂ろうとすると大体15$〜20$(2500円-3000円程度)、UberEatsなんて使おうものなら25$〜35$(3500円〜5000円程度)といったところでした。当然ご飯は日本の方が美味しいです!!!!

治安もやはり日本ほど良いとは言えない状態でした。特に夜の電車は広い電車の中に5-6人程度しかおらず、半分くらいは何やら独り言を言っていて絡まれないようずっと縮こまってPCを見ていました…😨



この日の夕食は少し遅くなったので、UberEatsで注文して20$(約3000円)でした。手数料抜きで14$(2100円)です。お腹いっぱいになる量では決してないのに高いですよね..。電車については写真を撮り損ねたので、「カルトレイン」で検索してみてください!
寒かったので入りませんでしたがプールもついていました!そういえば、アメリカの家はプール付き!という印象なのに、そういった家は実際はあまりなかった気がします。ベイエリアだからでしょうか🤔
寒かったので入りませんでしたがプールもついていました!そういえば、アメリカの家はプール付き!という印象なのに、そういった家は実際はあまりなかった気がします。ベイエリアだからでしょうか🤔

ネガティブな面を書きましたが、ITのフィールドで働くものとしては「サンフランシスコにいる」というのは非常に大きなアドバンテージになると思いました。サンフランシスコではIT関係のイベントが毎日のように、というより毎日開催されています。サンフランシスコは意外と狭いのでイベント会場への移動は楽ですし、内容・参加者ともにレベルの高いものが多いです。参加者について具体的には、出身大学がスタンフォードやバークレーであったり、GAFA出身だったり、ファウンダーとして設立した会社をEXITした人であったりします。またネットワーキングを内容としたものも多く、そう言った場所では人脈を作るだけではなくて実際の顧客に繋げたり、最新の情報を手に入れることもできます。これは日本に限らず他ではなかなか得られない経験だと思います。

サンフランシスコのスタートアップはテクノロジーに基づいたものが多く、その創業者もまた然りです。コーディングができて技術がわかるスタートアップの人間なら彼らの話に頷ける内容も多いはずですし、彼らからの共感も得やすいはずです。

イベントと人について実際に体験したことを書いていきます。

 

イベントについては、実際にGithub社主催のイベントに参加しました。内容としてはLLMやAIに関するビギナー向けの内容で、RAG(Retrieval Generative AI)の動作や活かし方について学びました。最後にはGithub CopilotのPRで、Githubの絶対にすごいエンジニアの方がじゃんけんゲームを作っていたのが少しシュールでした。

ネットワーキングもあり、同業のソフトウェアエンジニアの方やプロダクトマネージャーの方とお話ししました。私の英語力では話の展開をリードしていくのが難しかったですが、これからもIT分野と英語の学習を重ねて海外でも自分がペースを握って話していけるようになればと思います。なお、大体のイベントでコーラとピザが出されますので食べすぎないよう注意必須です🍕🍕

このイベントやプログラムを通してサンフランシスコのスタートアップエコシステムが一端に触れることができたと思います。

Github社で行われたLLMに関するイベント、Github Copilotの紹介時

次に人について、Moon creative labというこれから弊社が参加する三井物産が主催しているスタートアッププログラムが運用しているシェアオフィスで、AppleでiPhone5/6の時代にUI/UX領域でシニアマネージャーをしていたHoanからVoicePingのフィードバックをもらいました!

VoicePingの具体的なユースケースとターゲットをいくつか想定して、主にモバイルアプリにフォーカスして機能面とデザイン面でディスカッションを行い、これからどういった開発・改善を進めていいのか明らかにすることができました。

彼とランチに行って1つ印象に残っているのが、彼がAppleで働いていた時、デザイナーが品質担保において責任を負い、1ピクセルにまでこだわって制作を行っていたということです。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、それはどの分野についても共通していることを改めて認識しましたし、製品において実際のUIUXが命運を握りうることを実感しました。スタートアップはToDoの取捨選択が大事になってくるので、全てにおいて細部までこだわることは難しいです。サービス内のUXを徹底し、多くのユーザーが使う部分を洗い出して優先順位をつけて、1つ1つ徹底的にこだわって制作していく必要がありそうです。

Hoanとのディスカッションの様子
Moon Office

またもう1つ印象的だったことが、サンフランシスコの優秀な人は知識や経験のシェアを厭わないということです。完全に自分の偏見と予想ですが、おそらくサンフランシスコで優秀になるためには、自学自習のみではなくスキルのシェアを行って効率的に自己成長していく必要があり、それが習慣化しているもしくは性格として確立しているのではないかと思います。滞在中、スタンフォード大学にAI分野における著名人の一人である Andrew Ng氏の講演を聞きに行きました。講義の内容ももちろん勉強になったのですが、自分が驚いたことが、1人で勉強してる人を全く見かけずみんな4-5人程度のグループで席について勉強していることです。しかも夜の8時くらいまではそうやってキャンパスの中で勉強していました。おそらく教育の段階から、知識のシェアリングはとても重要であることを理解しているのではないでしょうか。

 

そしてこれはIT、特にエンジニア文化にも似通っています。サンフランシスコがIT分野で強いのは、ITの文化がサンフランシスコのスキルシェアの文化に近い、もしくはサンフランシスコの文化が基になっているからなのかもしれません。

Andrew Ng氏の講演。最近のLLM等を用いたサービス開発の潮流やアントレプレナーシップについて話されていました。
スタンフォード大学。基本学生は自転車移動でした。

最終日には、代表の中島が500で知り合った方々と一緒に食事に行きました。中には自分と歳の変わらないファウンダーも居ました。負けないように頑張ろうと思います!

500で知り合った方と食事に

VoicePingに入社して1年と少しになりますが、環境の違いも相まっておそらく一番濃い2週間でした。

私自身のこれからの目標(目標というより取りたい行動という側面が強いですが)としては、

  • 英語の学習を続け、最新の記事やイベントを通して得た知識を今よりも効率よく自分のものにできるようにすること。
  • VoicePing社内では広いスコープで働けるので、今回得た知識を活かして具体的な結果に繋げること。主に、
    • 検討→購入のセールスに入ることが多いので、VoicePingの価値を正しく伝え流ことでお客様にユーザーになって頂く
    • 幸いにもマーケティング領域に近いお客様の支払い周りの開発を担当しているので、戦略(弊社の場合PLGモデル)に基づいた開発や開発提案を行う

と言った点で貢献すること。

を挙げたいと思います。自分の仕事はサンフランシスコで学んだことを反映できる内容です。実践して確実に自分の血肉にしていければと思います。

現在、VoicePingではAIエンジニア・Web開発エンジニアを募集しています。最先端の言語モデルを扱いたい方、高性能音声認識や翻訳モデルを作りたい方、複雑でハイパフォーマンスなWeb開発アプリケーションの設計・開発・運用をしたい方は、お気軽にご相談ください。

https://www.notion.so/voiceping/VoicePing-24a93c7df8dd45b3b5e411f164d2d5ef?pvs=4#000e4355c2d24a3b8e2f6ea0829dafd4 

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