
この記事の内容
メトロポリタン美術館を初めて訪れるなら、見たい作品を先に3〜6点選んでおきましょう。 エジプトの神殿からフェルメール、ゴッホまで分野が幅広く、目当てを決めると広い館内でも行き先が定まります。
この記事では、5番街の本館「The Met Fifth Avenue」の見どころ6選と、入場料・日本語ガイド・休憩場所を紹介します。水曜は休館日です。展示室の一時閉鎖もあるため、チケットを買う前に訪問日を確認してください。よくある質問へ
料金・展示場所・営業情報は2026年9月16日確認です。
冒頭画像:The Metropolitan Museum of Art「The Temple of Dendur」/CC0。
入場料は大人US$30。水曜休館に注意
The Met Fifth Avenueは、セントラルパーク東側にある本館です。古代の工芸品、絵画、彫刻、武器・甲冑など、地域と時代をまたぐコレクションを収蔵しています。
| 項目 | 一般の来館者向け案内 |
|---|---|
| 大人 | US$30 |
| 65歳以上 | US$22 |
| 学生 | US$17 |
| 12歳以下 | 無料 |
| 日・月・火・木 | 10:00〜17:00 |
| 金・土 | 10:00〜21:00 |
| 休館日 | 毎週水曜、感謝祭、12月25日、1月1日、5月第1月曜 |
入場券には特別展への入場も含まれ、券面と同じ日ならThe Met Cloistersにも入れます。美術館外の旅行会社が販売するガイド付き商品は、通常の入場券とは内容や料金が異なります。公式の来館・料金案内
「好きな金額を払えば入れる」という情報にも条件があります。任意額で入場できるのはニューヨーク州の住民と、ニューヨーク・ニュージャージー・コネチカット各州の学生です。一般の旅行者向け料金とは分けて確認しましょう。
チケットは公式サイトから。事前購入は必須ではない
日本語の公式来館案内 からチケットページへ進めます。オンラインで買う場合は、訪問先がThe Met Fifth Avenueになっているか、日付・人数・料金区分が合っているかを確認してください。購入後のチケットは、当日スマートフォンで表示できるように用意します。
公式には当日購入も案内されています。オンライン購入を済ませても手荷物検査は省略されません。入館後もチケットを提示できるように持っておきましょう。入館時のルール
見どころ6選を、展示室番号と写真で選ぶ
最初に選ぶなら、建物そのものを見られるデンドゥール神殿、小さな青いカバのウィリアム、気になる画家の作品を組み合わせると、異なる魅力に触れられます。Galleryは展示室番号です。
| 作品 | 展示室 | 見るポイント |
|---|---|---|
| デンドゥール神殿 | Gallery 131 | 石造りの門、壁面の浮彫 |
| カバのウィリアム | Gallery 111 | 青い体に描かれた植物 |
| デラウェア川を渡るワシントン | Gallery 760 | 大画面と舟の上の人物 |
| 水差しを持つ若い女 | Gallery 614 | 窓からの光、金属や布の質感 |
| 麦わら帽子の自画像 | Gallery 825 | 短い筆触と色の重なり |
| ダンス教室 | Gallery 815 | 稽古をする人と待つ人のしぐさ |
展示場所は、下の各作品の公式リンクで確認できます。展示替え・貸出・休室によって変わるため、館内では地図と案内表示も併せて見てください。
2026年9月16日の確認時点では、屋上のGallery 926や近現代美術の一部などが閉鎖対象です。屋上からの眺望を目的に予定を組む前に、公式のGallery Closuresを確認してください。
デンドゥール神殿:門と壁面の彫刻を見上げる
冒頭の写真は、エジプトから移設されたデンドゥール神殿です。ローマ皇帝アウグストゥスの時代に造られた神殿で、Gallery 131に展示されています。
離れた位置から門と神殿の配置を見たら、壁に刻まれた人物や植物へ目を向けてみてください。神々への供物や、ナイル川流域の植物を表す装飾が見つかります。建物全体の大きさと、石に彫られた細部の両方を楽しめる展示です。神殿の公式解説・日本語音声
カバのウィリアム:青い体の模様に注目

ウィリアムは、青い釉薬を施して焼いた素材「ファイアンス」で作られたカバです。全長は約20cm。神殿のような大きな展示と比べると小さいので、展示室番号を控えておくと探しやすくなります。体には水辺の植物が描かれています。
現在の公式表示はGallery 111です。 古い旅行記事や音声解説の見出しにGallery 136とあっても、作品ページ上部の展示場所を優先して確認してください。公式作品ページ
デラウェア川を渡るワシントン:大画面の迫力を味わう

Gallery 760の代表作です。描かれているのは1776年の出来事ですが、制作は1851年。画家ロイツェが後の時代に構成した歴史画として見ると、人物のポーズや光の使い方にも目が向きます。
まず画面全体を見渡し、次に舟をこぐ人や前方を見つめる人の表情を追うと、大きな絵の中にある動きが見えてきます。作品の制作背景
フェルメール《水差しを持つ若い女》:窓辺の光を見る

Gallery 614では、フェルメールの静かな室内画を探してみましょう。窓から入る光が、白い頭巾、水差し、テーブルを覆う布にそれぞれ違う表情を与えています。
人物の動作は小さくても、視線を移すたびに素材の描き分けが見つかります。公式ページには日本語の音声と解説文があり、鑑賞前にも読めます。公式の日本語解説・音声
ゴッホ《麦わら帽子の自画像》:筆の跡を目で追う

Gallery 825に展示される自画像です。短い線を重ねた顔、帽子、背景を見比べると、筆の方向や隣り合う色の違いが分かります。顔の形だけを追うのとは違う楽しみ方ができる作品です。
作品は縦40.6cm、横31.8cm。大きな画像で予習していると、実物のサイズにも発見があるでしょう。ゴッホの公式作品情報
ドガ《ダンス教室》:踊っていない人にも目を向ける

Gallery 815の《ダンス教室》は、舞台本番ではなく稽古場の一場面です。中央の教師だけでなく、手前や奥で待っている生徒にも注目してみてください。顔の向きや手足の置き方が一人ずつ異なります。
公式の日本語解説では、バレエ教師ジュール・ペローや画面の構成を紹介しています。同じバレエを題材にしたドガの作品でも、制作年や所蔵先はそれぞれ異なります。《ダンス教室》の日本語音声・解説
公式YouTube動画3本で、見たい場所を予習する
写真だけでは分かりにくい展示室の広さや、作品を見る視点を、The Met公式の動画で確かめてみましょう。以下の3本は、空間を見る2本と、作品の背景を知る1本です。時間がなければ、この記事の冒頭にあるデンドゥール神殿から見ると、現地で注目したい場所を決めやすくなります。
Great Hallとデンドゥール神殿は、2017年にYouTubeで公開された「The Met 360° Project」の映像です。現在の混雑、展示配置、開館・休室状況を示す映像ではありません。訪問日の情報は公式の休室案内 で確認してください。The Met 360° Projectの公式紹介
Great Hall:入口の大空間を見渡す
見るポイントは、柱・天井・大階段の位置関係です。 入口のホールを普段とは違う高さから眺められます。現地の受付位置や通行経路を覚えるためではなく、建築の大きさを楽しむ予習として見てください。映像で気になった天井や柱を、来館時に自分の目線で見直すと印象の違いが分かります。
公開元:The Met/動画名:The Met 360° Project: Great Hall(2017年5月17日公開)。YouTubeで直接見る
デンドゥール神殿:光と建物の配置を見る
この映像では、朝から夕方へ変化する光と、神殿の周囲の空間を見られます。門、神殿、窓、水面の位置を探してみましょう。 写真で見た浮彫の細部と、建物全体の配置を結び付けると、現地でどこから眺めたいかを考えられます。神殿の作品解説 と合わせて見るのがおすすめです。
公開元:The Met/動画名:The Met 360° Project: The Temple of Dendur(2017年5月17日公開)。YouTubeで直接見る
ウィリアム:かわいい青いカバの、もう一つの意味を知る
エジプト美術の学芸員Isabel Stünkelが、ウィリアムを解説する短い動画です。青い色や愛らしい姿を見るだけでなく、なぜカバが作品になり、どんな意味を持ったのかを考えるきっかけになります。視聴後にウィリアムの写真 へ戻り、体の模様や脚にもう一度目を向けてみてください。
公開元:The Met/シリーズ:Art, Explained。美術館の公式解説ページは2013年8月28日公開、約2分の動画と案内しています。公式の解説ページ /YouTubeで直接見る
360度の操作と字幕の確認
PCでは360度動画の画面をドラッグすると、見る方向を変えられます。スマートフォンで操作しにくい場合は、各動画の「YouTubeで直接見る」からYouTubeアプリなどで開いてください。美術館は、スマートフォンを動かして周囲を見る方法も紹介しています。公式の視聴方法
音声解説を聞く動画では、プレーヤーに字幕ボタンが出るか確認します。日本語字幕や自動翻訳の有無は動画・端末によって異なるため、必ず使えるとは限りません。作品名が分からなくなったら、日本語の公式作品解説・音声ガイド も併せて使いましょう。館内で再生する場合はイヤホンを使い、周囲の鑑賞を妨げない音量にします。
2時間なら分野を絞り、半日なら休憩も入れる
以下は、初めて訪れる人向けの時間配分の例です。入場待ちや移動時間を実測したコースではありません。展示室の番号が近くても、順路が直結するとは限らないため、現地の地図で位置を確認してください。
- 約2時間の枠を取る場合:デンドゥール神殿とウィリアムを軸にし、絵画は好きな画家を1人選ぶ。全館を回ろうとせず、移動や入場待ちに応じて点数を減らします。
- 半日の枠を取る場合:エジプト美術に加え、ヨーロッパ絵画やアメリカ美術から見たい作品を選ぶ。途中に座って休む時間を取り、最後にショップへ寄ります。
- 甲冑・アジア美術などが目的の場合:6選にこだわらず、その分野を最優先に。公式の作品検索で展示中かどうかを確認してから向かいましょう。
歌や映画で知った作品を見に行くときも、作品名・作者・所蔵館を確認しておくと安心です。似た題名や同じ画家の別作品を取り違えないようにしましょう。公式コレクション検索
日本語ツアーと音声解説を使う
日本語ハイライトツアーは開催日を確認する
The Metの日本語ハイライトツアーは入場料に含まれます。毎日同じ時刻にあるとは限りません。公式のツアー一覧を日本語で絞り込み、訪問日の開催時刻を確認しましょう。

確認時点の集合場所は、Gallery 534のVélez Blanco Patioです。人数制限があり、先着順と案内されています。開催時刻だけでなく、その回の集合場所も確認してください。日本語ツアーの公式案内
無料のデジタルガイドと、日本語の作品音声
公式のデジタルガイドはBloomberg Connectsで無料公開されており、ブラウザーまたはアプリで利用できます。作品や展示を選び、ヘッドホンの印がある解説を探します。自分のイヤホンを持参しましょう。The Metの無料ガイド案内
日本語で聞きたい場合は、公式サイトの日本語作品ページも使えます。この記事で紹介したデンドゥール神殿 、フェルメールの《水差しを持つ若い女》 、ドガの《ダンス教室》 には、日本語の音声と解説文があります。
ガイド画面を日本語表示にすることと、すべての音声が日本語になることは同じではありません。見たい作品のページで音声言語を確認し、出発前に開いておくと現地で探しやすくなります。
アクセス・荷物・撮影のルールを確認する
住所は1000 Fifth Avenue, New York, NY 10028。地下鉄4・5・6系統の86 St駅から、5番街へ向かって西に歩きます。公式案内の徒歩目安は約10分です。段差のない入口は5番街と81丁目付近にあります。交通・入口の公式案内
荷物は小さくまとめて出かけましょう。大きなバッグやスーツケースは館内に持ち込めず、クロークでも預かりません。小型のリュックは、展示室では体の前に持つか手に持つよう求められています。
多くの展示室では、個人利用のフラッシュなしの写真・動画撮影が可能です。ただし撮影禁止の表示がある場所は除きます。自撮り棒や三脚は使えません。飲み物は、しっかり閉まる容器に入れた水が基本です。館内の表示とスタッフの案内を優先してください。持ち物・撮影の公式ルール
カフェで休み、ショップは見学の最後に
休憩先には1階のAmerican Wing Cafe、2階のGreat Hall Balcony Cafeがあります。確認時点では日・月・火・木は11:00〜16:00、金・土は11:00〜20:00の案内です。美術館の開館時間とカフェの営業時間は異なります。
Petrie Court Cafeは一時休業中で、2026年10月に再開予定と案内されています。The Eateryは週末のみの営業で、屋上のバーは工事のため閉鎖中です。古い紹介記事だけで食事場所を決めず、公式の飲食施設一覧 を見ておきましょう。
ショップでは、展覧会図録や美術書、カード・文具、アクセサリー、スカーフ、バッグなどを探せます。作品を見た後に選ぶと、その日の鑑賞とつながるお土産になります。取り扱いや在庫は変わるため、予習にはThe Met Store公式サイト が便利です。
クロイスターズは別の場所。移動時間を確保する
中世ヨーロッパの美術や建築に興味があれば、The Met Cloistersも候補です。マンハッタン北部のFort Tryon Park内にあり、5番街の本館から歩いて隣へ移動するような距離ではありません。
同日の入場券で両館に入れますが、本館をじっくり見る日とは別日に分ける選択もあります。別日に訪れる場合は、その日の入場券が必要です。クロイスターズも水曜休館で、通常の開館時間は10:00〜17:00。所在地・交通・開館時間
旅先の短い会話にはVoicePingのオフライン翻訳

ホテルで荷物を預ける、店員に商品を尋ねるなど、旅先では短い英語のやり取りが続きます。VoicePingのオフライン翻訳 は、言語モデルを事前にダウンロードしておくと、通信がない場所でも音声認識と翻訳を端末内で処理できます。
出発前にアカウントとアプリを準備し、日本語・英語のモデルをダウンロードしてください。「荷物を預けられますか」など実際に使う一文で、文字が読めるか確認しておきましょう。館内で音声を使う際は周囲への配慮が必要です。作品の解説には美術館の公式ガイドを使い、翻訳アプリは自分と相手の会話を補う用途で使うと役割が明確になります。
見たい作品と展示室番号、日本語ツアーの日程を控えたら、最後に休館・休室情報を確認しましょう。予定に余白を残しておくと、目当ての作品の前で立ち止まる時間も取れます。