
この記事の内容
ビジネスデイセミナーが日本語で進行するなかで、海外からの来場者にどう内容を届けるか——。AnimeJapan は日本最大級のアニメイベントであり、ビジネスデイには海外からも多くの業界関係者が参加します。登壇者の多くは日本語で講演するため、多言語対応は毎年の課題でした。その課題に対し、AnimeJapan の運営事務局を担う株式会社ソニー・ミュージックソリューションズは、3年連続で VoicePing のリアルタイムAI翻訳を導入しています。
本記事では、同社の岡田氏と大井手氏に、AnimeJapan 2026 ビジネスデイでの VoicePing の活用方法、3年間の導入で変わってきたこと、そして今後の多言語対応への期待を伺いました。
これまでの経緯は、AnimeJapan 2024・2025 のインタビュー記事もあわせてご覧ください。
AnimeJapan 2026:日本最大級のアニメイベント、東京ビッグサイトで開催
— はじめに、自己紹介と AnimeJapan 2026 での担当内容について教えてください。
岡田: 株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの岡田と申します。AnimeJapanは一般来場者向けの「パブリックデイ」と業界関係者向けの「ビジネスデイ」で構成されており、私はその中でも「ビジネスデイ」のイベント全体の統括を担当しました。当日の運営はもちろん、ビジネスセミナーやピッチ、出展社対応なども含めて担当しています。
大井手: 同じく株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの大井手と申します。私も岡田と一緒にビジネスデイを担当し、来場者やバイヤーへの案内、セミナーの調整などを行いました。
— AnimeJapan の規模について教えていただけますか。
岡田: AnimeJapan は、今回で13回目の開催となる日本最大級のアニメイベントです。世界の中でもこれほど多くの出展社・来場者が集まるアニメイベントはそう多くないと思います。今年はビジネスデイの来場者数・出展社数も昨年を上回り、例年以上に盛り上がったと感じています。
— 来場者数はいかがでしょうか。
岡田:「パブリックデイ」「ビジネスデイ」をあわせた今年の総来場者数は、過去最多となる156,000人です。近年、海外からの来場者も増加しています。
増える海外来場者と、多言語対応への挑戦
— どのような課題を解決しようとされ、VoicePing を選ばれたのでしょうか。
岡田: ビジネスデイは海外からの来場者が多いため、各国から来場される方に向けた言語対応が必要と考えています。特にセミナーは基本的に日本語での展開となりますが、海外からのご来場者も多くいらっしゃいますので、多言語でのサポートが不可欠と考えVoicePing さんにお声がけしました。2024年から3年連続で導入しており、来場者からご好評いただいたのも継続の理由の一つです。

3年間の改善:画面表示領域とスピードの調整
— この3年間で、来場者からの反応や、表示方法の変化はありましたか。
岡田: 導入した最初の年は、モニターの上段に日本語、下段にその英訳を表示していました。ただ英語の表示領域が狭くて見づらいところがあったので、2年目からはすべて英語のみの表示に変えています。
もう一つは、翻訳文の表示スピードです。日本語と英語では語順が異なるため、日本語の文章が終わる前に翻訳途中の英文を即時表示してしまうと、あとから日本語の進行にあわせて画面上の訳文が何度も修正されてしまい、読みづらいという事象がありました。昨年もそうした点があったため、少し表示スピードを落とし、訳文がある程度確定してから表示する形をお願いしました。今年拝見していて、去年よりは改善されたように感じました。
— ありがとうございます。私たち(VoicePing)側でも、文の途中で訳し直さないようにすることと、ちらつきを減らすことを目標に、翻訳モデルの調整を続けているところです。

「スマートフォンで確認できる」— 来場者目線での利便性
— QRコードを読み取り、自分の端末で翻訳を見る体験について、何かフィードバックはありましたか。
大井手: 「使えなかった」「QRコードで困った」といったお声は届いていませんし、現場のスタッフからも特にコメントはありませんでした。会場で実際に使われている様子も見ていましたが、海外の方と思われる来場者が、スマートフォンで翻訳を見ながらメモを取られていました。自分の端末で確認できる点は、とても良かったのではないかと思います。
通訳より経済的に
— 通訳の方を手配する場合と比べて、コスト面ではいかがでしょうか。
岡田: やはり経済的だと思います。人件費も上がっていますし、もしビジネスデイ全体の運営スタッフや、各セミナーに通訳スタッフを手配すると、かなりのコストがかかります。経済的という点も、今回の導入の決め手の1つとなりました。
作品名や固有名詞 — 当日も精度が上がっていく
— 事前に固有名詞は辞書登録されましたが、言葉の認識や英語への変換で気になる点はありましたか。
大井手: 固有名詞について、特におかしいと感じたところはありませんでした。翻訳の途中で最初に出てきた言葉が、おそらく学習されて、同じセッションの後半ではより良い表現に変わっていた、という事例も見かけました。精度は高まってきているのではないかと感じています。
今後への期待:話者表示、対応言語、そして音声
— 今後、翻訳体験に期待されることはありますか。
大井手:表示のスピードと滑らかさという点では、語順の前後による修正が少なく、一度できれいに文章が出ると、ぱっと内容が分かりやすくなると思います。大きなモニターでも表示できるのは6〜7行ほどなので、文章が完結する前に切れてしまうこともありました。そのあたりは、今後さらに改善されていくのではないかと思っています。
また、今回はお二人で登壇されるセッションもありました。画面上で誰が話しているか——AとBだけでも分かると、見ている方も、誰の発言かを確認しなくても会話をより深く追えるのではないかと思います。
アニメに関しては、海外からのお客様は英語話者だけではなく、本当にさまざまな言語圏からいらしていると感じます。対応言語が広がっていくほど、こうしたシステムの重要性が高まっていくのではないかと思います。
— 音声を、テキストではなくイヤホンで聞きたいというニーズはありそうでしょうか。
岡田: 具体的にそういうご要望をいただいたわけではありません。ただ、皆さんスマートフォンでご確認いただいているので、もしイヤホンで聞ける形になれば、より理解しやすくなるのではないかと思います。
まとめ
- VoicePing は、AnimeJapan ビジネスデイのセミナーで3年連続(2024〜2026年)採用されました。
- 会場モニターのリアルタイム英訳字幕と、QRコードによるスマートフォン配信(アプリ不要)で、2日間(3月30〜31日)のセミナーにおける海外来場者をサポートしました。
- 表示方法は毎年改善:二段表示 → 英語専用表示 → 日本語・英語の語順差への対応。
- QRコードの不具合は特になく、辞書登録と当日の学習により固有名詞の精度も向上。
- セミナーの多言語展開を、通訳スタッフ手配よりも経済的に実現。
- 今後の要望:画面上の話者表示(A / B)、対応言語の拡充、イヤホンによる音声翻訳。
会社概要:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
- 設立: 1987年8月21日(発足日:2019年4月1日)
- 本社: 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
- 事業: 音楽・映像等ソフトウェアのマーケティング・ディストリビューション・EC、パッケージ商品の企画・製造、物流、ファンクラブ運営、グッズ製造・販売、ライブ・展示会など各種イベントの企画・制作・運営、Webアプリ・サイネージ等の企画・制作・運営等
- 公式サイト:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
次のイベントに、VoicePing のリアルタイム翻訳を
VoicePing は、イベント会場のセミナーや講演にリアルタイム翻訳を導入し、海外からの来場者が内容を理解しやすい環境づくりを支援します。
- QRコードを読み取るだけ — 来場者は自分のスマートフォンでリアルタイム翻訳を確認できます。アプリのインストールは不要です。
- 会場モニターにも表示 — セミナー会場のサブモニターに翻訳字幕を表示し、参加者が内容を追いやすくします。
- 主催者にもシンプル — 専門用語の辞書登録や当日の運用設計により、会場規模に合わせた多言語対応を支援します。
本記事は、2026年5月8日に株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの岡田様・大井手様にご協力いただいたインタビューをもとに構成しています。発言は、明瞭さのために軽微な編集を加えています。


